中編3
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あらいさんち

初めての投稿です。昔の思い出話を一つ。

当時私は予備校生でした。学生でも社会人でもない、人生おける軽い足踏み地点などと友人は言っておりましたが…

当時は授業の合間にみんなで喫煙所に行って休憩がてらのおしゃべりをするのが楽しみの一つでした。

時々誰かが体験した怖い話で盛り上がることがあり、何度か心霊スポットへ行ったり心霊写真を撮った事のある友人の弁慶(今思うと凄いあだ名…B系で木製ビーズのネックレスをつけた恐ろしくガタイの良いコでした♪)が群馬の有名な心霊スポットについて話し出しました。

私の行っていた予備校は群馬県高崎市にありました。(県内では一応一番の都会)

弁慶の話は通称「あらいさんち」へ行った話。

「あらいさんち」は当時かなり有名で私は高校の頃友人の岬から話を聞いたことがありました。

岬のお姉さんが「あらいさんち」に肝試しに行った事、怖すぎて結局みな車を降りる気にはなれなかった事、一番怖かったのはアライ低のすぐそばにアライ家の墓がこちらを見下ろすように建っていた事(高いとこにあるのかな?)など…

ちなみに家に入って何か持ち帰ると必ず

「あらいですが…○○を返してください」

という電話がかかってくるという話です。

さて肝心の弁慶ですが、友人四人で「あらいさんち」に行き家を探索して友人Aが台所から箸を持ち帰ったそうです。

またかなり霊感の強い友人Bが、帰りの車内で弁慶に

「お前の…左肩と右足にくっついて来てる…」

とご親切にも教えてくれた為、車に乗り込んだ時から左肩と右足に重いような痛みを感じていた弁慶は言い当てられてちぢみあがり、一人では帰れず結局その日は四人全員一緒にいたとの事。

(このコら喧嘩の強いヤンキーだったんですけど…ほほえましいね)

で、電話はかかってきたのかという話…

夜が明けてからですが、

Aの携帯に非通知でかかってきたんだそうです。

でも全員びびってとれず…

持ち帰った箸はAが川に捨てちゃったとか。そっちの方が怖いじゃんと私は思いましたが。

で、

私「ところであらいさんちって、どこにあるの?」

弁慶「鬼石ってとこです。」

私「おにし…???」

弁慶「知らないんですか?埼玉との県境にあって下久保ダムの近くにあらいさんちってゆーボロボロの廃墟があるんですよ~。めっちゃコワイすよ。」

私「ふーん、ダム…ねえ。」

こんな感じであらいさんちの話を続けていると、友人の一人・洋平が口を開きました。

洋平「その、あらいさんちってさ、何か…聞けば聞くほどウチのばあちゃんちなんだけど…。」

一瞬の沈黙

一同「はあっっ!??」

洋平「いや、だから、鬼石でダムの近くで…そんな山ん中に建ってる家なんてばあちゃんちくらいなんだけど。ひでえなぁ、まだばあちゃん生きてんだけど。まあその家にはもう住んでないけどね。」

弁慶「マジでマジで??だってあらいさんちってネットにもいっぱい載ってるじゃん!全国の心霊スポットランキングで2位だったよ!」

私「そんなサイトあるの?]

弁慶「ちなみに1位は九州の犬○峠と○○トンネルです。」

私「君も好きだね~笑」

その後みんなでネット検索…

洋平「マジだ…写真すら出てるし。みんなひでえなぁ。個人情報だぞーしかも不法侵入だろ~が!田舎と思ってナメんなよ(泣)」

洋平は小さい頃何度か遊びに行っていて泊まった事もあるらしく、

(そりゃそうだ、親戚んちですもんね。)

洋平「そうか…でも確かに子供ながらにすげーコワイ家だと思ってたけど、心霊スポットだったか…。うん、納得だ。」

などとひとりつぶやき。

なんてノンキな…

かくして群馬の誇る(?)最恐の心霊スポット「あらいさんち」は単なるネタとかしたのでした…。

ちなみに鬼石は様々な伝説の残る地で「鬼」のつく市町村は全国で長野県の鬼無里と二つだけなんだそうです。

本当かな?探せばありそうなんですが…

そして両者とも今は市町村合併のよって名前は消えてしまいました。

嘘のよーな、ホントの話です。

なんだか大した話じゃないのにとても長くなってしまいました。

怖い話じゃなくてスイマセン。

失礼いたしました。

怖い話投稿:ホラーテラー えぬさん  

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