中編3
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Aの寝言

今から10年以上前の話で、友達(以後Aとする)が俺の部屋に泊まりに来た時の話です。

Aとは昔からの親友で夜遊びに来てはDVDを見たり、プレステをしたりと朝方まで俺の部屋で遊んでいた。で、4~5時になるとAはきまって寝ちゃうんだけど、かなり酷い寝言を必ず言うんだ。いきなり笑いだしたと思えば、謝ったり、喧嘩売ってたりと…まぁ凄いんだ。でも俺はそれが楽しみであえて起こさず、一人で息を殺しながら、腹を抱えて笑ってた。

その日はいつものように遊びに来てプレステしたりと遊んでた。Aは特に変わった様子もなく時計は確か4時を過ぎていたと思う。映画を見始めたが冒頭20分位で横を見るとAはもう寝てた。

俺は映画そっちのけでAを観察し始めた。20分位経ったと思う。

いつものアレが始まった。

突然Aが「ごめん、付き合ってる人がいるんだよね…」

いきなりの告られを拒否るA!

それを見て笑いだす俺

Aは続けて「泣かないで~」

慰めてます!

そんなやりとりが3分位続く。俺は可笑しくて涙が止まらなかった。その後、5分位沈黙がながれAが静かに言いった。

「あんた誰?」

眉間にシワをよせるA。どうやら知らない人が出てきたらしい。

Aは「ごめん…ごめん」と謝っている。

どんな奴が出てきたのかワクワクして期待してるとAが、

「笑え…ない…よ……それ…」

と、さっきまでの口調が明らかに変わった。

するとAは3分位の間に立て続けに、

「お…れ…しらな…」

「…助け…」

「け…警察呼ぶよ~警察~!!」

「…ヤバい」

えらく取り乱した感じになり、俺もさすがにちょっとヤバいと感じたが少し様子を見る事にした。

すると今度は泣きすがるように、

「こと…わっただけじゃ…」とか、

「なん…で…こんな……」

もう俺は訳が分からない状態だった。

Aのまぶたがケイレンというか、小刻みに動いてる。

もうそこに笑いなんてなかった。起こしたいけど、怖さで起こせない自分がいた。

するとAが突然大声で「やめろー!」と言った。俺もビックリしてさすがにAを起こした。Aはすぐに起きた。汗をびっしょりかいたAは目を大きく見開き息も荒く、テーブルにおいてあるジュースを飲むと一息ついた。

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夢の内容を聞くと、知らない女に告白されて断り続けてると女は走ってどこかに去っていった。

しばらくして知らない男が片手にカバンを持ちAの方にやって来た。顔は怒ってた。Aの前に着くなり何か叫んでる。どうやらさっきの女の事で文句をつけに言いに来たらしい。不思議な事に男は何かを言ってるのだが声が出てない。

しばらくして男は黙りこんだ。

A曰く、男は何か一言だけ言った。声は出てなかったがAは口元を見て分かったらしい。

「畜生!」と言ったらしい。

そして男は手に持っていたカバンの中を探り始めた。

男はゆっくりと何かを引っ張り始めた。

長い髪の毛らしきものが見えた。

次に額…眉毛…

それはさっきの女の首だった。

取り出すとAの前に見せつけた。

Aはパニック状態になり、床に尻餅をついたらしい。いろんな言葉を言いまくった。それがさっきの3分位の間に言った言葉らしい。

そうこうしてるうちにに男の顔が変わった。何故か笑いだしたのだ。声は出てなかったが男の後ろから物音が聞こえた。何か引きずってる音だった。その音は徐々にAに近づいて来る…

「ザッ……ザッ、ザッ、ザッ……ザッ…」

男の足下に目をやると顔のないさっきの女が男の横から這って出てきた。

Aは必死にもがいたが尻餅をついて立てなかった。両腕の力だけで後ずさりしたがついに両足をつかまれた。

そして「やめろー!」と叫んだ。

そこで俺がAを呼ぶ声が聞こえ起こされたらしい。

重い空気が漂ってたのもあったし、ちょっと落ち着こうと思いタバコを吸い始めた。Aも吸い始めた。

俺は最初の寝言をAに言った。

「腹が痛くてしょうがなかったよ」と。

それを聞いてAも笑う。

Aは笑いながら何気なく言った。

「夢だったけど足が妙に痛くて夢か現実か分かんねぇよ~」

俺がふざけてズボンの裾をめくってみれば~手形がついてたりね~、なんて脅す意味で言った。

Aは履いていたズボンの裾をあげると、両足にくっきり手形がついていた

それを見た瞬間思った、

「あっ、この部屋にいたんだ……」

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名で…さん  

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