中編3
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呪われた土地

 今からおよそ15年ほど前のことです。

札幌市に澄川という町があります。

その澄川にその土地はあります。

 周りには綺麗な住宅街が立ち並ぶ中にポツン……と空地が1つ存在します。

その土地をよく見ると、周りにはかっては家が建っていたと思える石組みがあり、土地の奥には「売り地」と書かれた大きな看板があります。

そこは大きな道路にもほど近く、立地条件や土地の形なども良いといえる場所です。

 ……しかし、相場から見ても破格としか言えない値段で売りに出されているにもかかわらず買い手がつきません。

その土地はかっては立派な家が建っていたそうですが、バブル崩壊のあおりを受け、その家の主人が借金にまみれ、最後にはノイローゼになり焼身自殺をしたという謂れがあります。

 その後、土地は人手に渡りましたがなぜか所有者や土地に立ち入った人に不幸や怪我が重なるということが頻繁に起こる為なかなか買い手がつかなかったそうです。

その当時はどこかのお寿司屋さんが所有者だったようですが、早く手放したいのか格安で売りに出していました。

 僕の父と母がその土地の噂を知り合いの不動産屋から聞き、その安さもあいまり見に行くことになりました。

車でその土地の前に乗り付け土地の中に入ったところ、ギギッと音がして無人の車が前に進みだしました。

慌てて父が車に駆けこみブレーキを踏み、事なきを得ましたがなにか不気味に思い、すぐにその場を離れました。

現場はかるい坂道だったのでサイドブレーキをかけ忘れたのが原因だろうと父が言っていましたが、30年以上無事故の父としては考えにくい凡ミスでした。

まぁ、実害はなかったので半分笑い話でその場はすんだのですがそれから1か月ほどの間にうちの家族が相次いで足のふくらはぎのあたりを怪我をするということが起こりました。

その原因も皆別々ですが、僕に至ってはあまりに不可解な怪我の仕方をしました。

 自転車に乗り家の近くの空き地で遊んでいたら転んで、停めていた自分の自転車にぶつかり、その拍子でチェーンが外れむき出しになったギアのギザギザの部分でふくらはぎ下部のあたりの肉が数センチほど裂ける怪我をしました。

幸い、何とか縫わずに済んだので良かったのですが、家族全員が同時期に同じような場所を怪我するという不気味なことが起こり、やはりあの土地が原因なのかと話題になりました。

まぁ、僕も子供でしたし怪我なんてしょっちゅうのことなので偶然が重なっただけと言えないことも無いですが後日談もあります。

1月ほどして足の怪我もほぼ塞がったころ、また転び、また同じように自転車にぶつかり、またチェーンが外れ、前回の傷と寸分変わらぬ場所を同じ怪我を負いました。

……偶然と呼ぶにはあまりといえばあまりという出来事でした。

そんなこんなでその土地を買おうという話も当然お流れになりました。

 その後、数年ほど経過し近所の中古車屋がその土地を駐車場として買い取り利用していましたが、それから3-4ヶ月ほどしてその中古車も潰れました。

そんなこんなでずっと放置されていましたが2年ほど前にコンクリートで固められた月極め駐車場になりました。しかし、前述したとおりそこは住宅地の中にあり、利用者が十分確保できるとはなかなか思えない場所です。

現実、10数台は止められる駐車場に止まっている車の数は数台ほどです。

 その不自然な駐車場は今も存在します。

未だに呪いがあるかどうかは定かではありませんが、少なくとも僕はちかづきたくありません。

怖い話投稿:ホラーテラー rokiさん  

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