中編6
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裏仕事

週末になると勝手に家に集まり、みんなが酒を飲みだす。

そのうちの一人が急にテレビを消し、話をはじめた。

「おい。俺見とんねん。消すなや!!」

「なぁ、知ってるか?」

「うん。」

「別にしらんでもえーわ。」

「すまん。とりあえず聞いてくれ。」

「、、、。」

「しゃーなしやぞ。」

あなたも仕方なくで読んでみてください。

「ありがとう!この恩は一生忘れへんから!」

「ええからはよ話せや。」

「こないだ高額バイトに行ってきてん。」

「で?」

「何したん?」

「壊し屋。」

「はぁ、壊し屋?」

「ん。」

「殺し屋ちゃうで。」

「わかっとるわ!!」

「仕事を教えてくれた先輩も言うとった。殺人ではない。人を殺すんじゃなく心を壊すから殺心って、、、。」

「ほんまにそんな仕事あるんか?」

「おっ、テレビより興味出てきたかも。」

みんな食い付きだした。 

「人の精神を壊す仕事なんなよ、、、。」

「、、、。」

「、、、。」

「はよ話せや!」

「あっ、うん。」

「でな、闇のルートからそういう殺心依頼がくるんやけど、成功報酬がかなり高額やねん。」

「時給自体は安いんやけどな、、、。」

「金の事はいいから内容をはなせ!!」

こいつはいつも遠回しに話をする。

話をするときはいつもオチあるか?って最初に聞かれるタイプだ。

「俺が受け持った仕事は32才のサラリーマンやった。」

「ターゲットによって心を壊す方法は色々とあるんやけどな。」

「俺が担当したターゲットは商品クレーム、家庭崩壊、幽霊とかやってん。」

「他どんな方法あるん?」

「他?」

「話しずれてもええか?」

「いちいち聞くな!」

「あっ。他は女の人なら嫌がらせ、ストーキング、悪戯電話、彼氏を誘惑して浮気するとか、レイプとか、まぁ、色々あるらしいわ。俺もこれは聞いた話しやからあんまり詳しくはわからん。」

「ターゲットが男なら浮気が嫁にばれる、会社にいれなくなるようにする、家庭崩壊とか、因縁つけておどすとか、借金とりとか。」

「へぇ。」

「まぁ、ええわ。」

「で、32才のサラリーマンはどうなったん?」

「俺、毎日会社に電話したんよ。」

「借金とりを演じて上司に電話したり、後はひたすらクレームの電話したり。後は俺の嫁を寝とりやがった!って、会社の社長に電話を取りついでもらってキレてみたり。」

「後は携帯と家にもイタ電な。」

「寝不足なるように夜中じゅう電話したり、旦那が仕事中に家にもかけて嫁に旦那が浮気してるとか、金を貸してるのに返さへんとか、、、。」

「2、3日してくるとだんだん電話の声もおかしなってきよる。」

「寝れない、会社で上司に怒られる、家に帰っては嫁に有る事ないことキレられる。たまったもんじゃないな。」

「で、依頼者が同じ会社のライバルらしくてな、成功報酬がもらえる条件が会社に来なくなる事やってん。」

「依頼者誰かわかりそうやな。」

「そいつがいなくなったら都合ええ奴やもんな。」

「まぁ、続き聞こや。」

「五日目には遅刻してきよってな。会社に行きたくなかったんやろな。」

「依頼者の話では相当な上司からの怒られようやったらしいわ。」

「俺は月曜日からの仕事やったから一週間目はそんな感じで終わってん。」

「で、そいつ次の月曜日に来たん?」

「来よった。」

「依頼者が言うにはかなりやつれてきとると。」

「なんかかわいそうやな、そいつ。」

「ん。俺も罪悪感はあったけど、仕事に対する責任感は人一倍やからな。」

「そんな時に責任感はいらんわい!」

「まぁ、黙って聞こ。」

「そうやな。で?」 

「10日目や。水曜日に車で事故。」

「事故?」

「ブレーキオイルぬいたとか?」

「それなら殺人未遂みたいなもんやなぁ。」

「あつ、当たり屋か!?」

「おしい。会社帰りに車で運転中に急に飛び出してきた人形を車で跳ねさせるねん。」

「追い込まれてる人間はだいたい逃げよるらしいから。」

「逃げよったん?」

「ん。逃げよったわ。」

「で、次の日は?」

「まぁ、待てや。その夜にイタ電や。」

「痛い、痛い。」

「寒い。ここどこですか?」

「私を殺したのはあなたですか?」 

「ひき逃げするなんて!!」

「と、まぁ、ありとあらゆるところから攻めるわけさ。」

「で、どうなったん?」

「週末まで会社にきよらんかった。」

「ずっと家に電話しても出やんし、携帯もつながらへんし。」

「留守電にも、俺を殺しやがってって、メッセージ残してやったわ。」

「そいつどうなったん?」

「会社に辞表を送ったらしい。」

「はぁ、世の中には恐ろしい仕事があるもんやな。」

「ん。びっくりやわ。」

「でも、自殺とかされたら寝覚め悪すぎやんけ。」

「たまにあるらしいわ。」

「打ち切りで金が入ってくるんやて。」

「そうなると次の依頼はこやんらしい。」

「、、、。」

「で、お前は?」

「何が?」

「次の依頼。」

「あっ、あれから連絡なしや。」

「まじで!?」

「ありえへん話しやな。」

「どうしよ、、、。」

「やってしまったんかな、、、。」

「うまいこと殺さずに仕事をうまく出来たらほぼ100%次もすぐに依頼がくるらしいからなぁ。」

「まぁ、もし次ぎ連絡あったとしてももうやんなよ。」

「そうする、、、。」

人を追い込むことはこんなに簡単な事なのかと思った。 

ヤツがとった行動はよくある話ばかりだからだ。

まぁ、人形が出てきて、死人からの電話はともかく、他の話しの浮気、クレーム、イタ電、借金とり、脅迫、、、。

精神を追い込む仕事の内容がそれをわからずに誰かが誰かにとっている行動。

いじめや、嫌がらせ、痴漢やレイプ、ストーキング。

死んだ人を前にそんなつもりはなかった!

その行動は人を死にやる行動だ。

知らず、知らずのうちにやっている。 

もしあなたがそんな経験があるなら少し考えてほしい。 

ヤツが働いた仕事の人を壊すという仕事内容と同じ事をしているのだから。

あなたが誰かを死に追い込む前に。 

少し考えてみてください。 

もしかしたらあなたの行動によって誰かを死に追いやることになってしまうかもしれませんね。

人は脆い。

人の醜い部分を改めて実感した。

この世の中にはたくさん死に追い詰められている人がいる。 

戦争よりも人が多くの人が自殺で死んでいる。

ヤツの仕事の連中もかなりの数を死に追いやっているのだろう。

しかし、それはほんの一部にすぎない。

ほとんどは知らない間に、、、。

仕事の裏で、見えないところでたくさんの人が死んでいる。

キャバクラ接待をとり、今までの取引先を切り、新しく取引をする。見えないところであなたが人を殺した。

きっと今までの取引をしていた会社は潰れ、首を吊ったに違いない。

あなたが売り上げを上げるために安く仕入れようと何かとクレームを出す。

きっとその値引きされた会社の担当の人はクビになり電車に飛び込むのであろう。

この話を聞いてからいろんな人の声が聞こえるような気がする。

知らない間に俺も誰かを死に追いやったことがあるのだろう。 

今の世の中はそこまで犠牲者を出さなければ生きていけないものなのだろうか。

あなたの見えない世界で、今日も誰かがあなたのせいで命を失うことになるのだろう。

取引先の工場の人?

クレームを出されたお店の人?

レイプされ妊娠してしまった女の子?

あなたが今日いじめたひと?

よくある話で、よく聞く話だ。

すべてが人殺しにつながっている話なのに、、、。

目の前で見たわけではないという罪悪感の薄れがたくさんの人を殺すことに、、、。 

知らない間に何かがおこっている。

その行動、その言葉、その決断。

今日も誰かが犠牲に、、、。

仕事を失い、、、

家族を失い、、、

恋人を失い、、、

家を失い、、、

命を失い、、、

、、、。

得たものは?

お金?

一時の快楽?

自己満足?

恨みを晴らした?

キャバクラで酒を飲む時間?

会社の信用?

自分を守った?

自分がいじめられないために?

誰かの犠牲の上で生きているとはいえ、、、。

色々と考えさせられる1日だった。

あなたも知らない間に誰かの命を、、、。 

、、、。

、、、。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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