中編3
  • 表示切替
  • 使い方

ちかチャン

私にはもともと霊感というものが全くありません。

そのため怖い体験談やホラーのエピソードはありませんが、たった一つだけ、もしかしたら?と思う出来事がありますので、その体験談を話したいと思います。

当時、私は中学生でした。

眼鏡で坊主頭で、勉強やスポーツもパッとしないさえない学生でした。

そんな私にも春が訪れたのです。

それは2年に進級し、同じクラスになった一人の女性から恋をしていただいのです。

名前は「ちか」

外国人のハーフで、顔が濃くて特徴的な顔つきで、髪はセミロングの三船美佳さん似の綺麗な女性でした。

恋いに鈍感な私でさえ、よほど自分のことが好きなのであろうと気付いてしまうほど積極的な女性で、周りからもしょっちゅう冷やかされるほどでした。

見た目が綺麗で可愛いので、自分なんかを好きになる意味が分からなかったのですが、彼女いわく

「誰よりも優しくて、一緒にいて安心する」

とのこでした。

小学生の頃、日本人顔じゃないといじめらていて、ハーフであることがコンプレックスだった彼女。

そんな彼女に初めて優しく接したのが、この私なのだそうです。

そんな一途なちかチャンに、私の心が揺らいでる時でした。

始めは積極的に話しかけてくる程度だったちかチャンが、徐々にその積極性を増し、ちがう女子と話してると怒るのに始まり、毎日のように家にかかってくる電話、帰りも家まで必ず付いてきます。

席替えをしても、女子と交渉でもしてるのか、必ず隣り座ってきたり、どこに行くにも腕を組まれ、しまいにはトイレまで付いてくるしまつです。

さすがの私も異常であることは分かり、軽く注意しただけで、ものすごい剣幕で激怒してくるほどになりました。

もちろん私たちは付き合っていません。

一方的に言い寄ってくるだけです。

あまりにもしつこいため、私は軽いノイローゼ気味でした。

ちかちゃんの「あなたは私のもの」という口癖に恐怖感を覚えるほどでした。

ある日、私はとうとう耐え切れなくなり、ちかに打ち明けたのです。

「もういい加減にしてくれ!!もう……うざいんだよ!!まとわりつくな」

その言葉に激怒するかと思いきや、すごい形相で私を睨みつけ、走って行ってしまいました。

私はもう付きまとわれることはないだろうと安心していました。

しかしこれが間違いでした。

その日ちかは死にました。

自殺だったのか事故だったのかは分かりません。

大型トラックにはねられ死亡しました。

かけつけた運転手がちかにかけより、ちかの最後の言葉をききました。

「わたしの…もの」

そのあと私は後悔の念で悔やみましたが、前向きに生きることを決意しました。

あれから一年がたち、なんとなく彼女とよく来ていた公園に訪れました。

そこでは子供たちがたわむれているほのぼのとした光景でした。

そのとき一人の子供がいいました。

「あれ?お姉ちゃんがいないよ?」

「ほんとだー?どこ?」

「あ、いた!」

少年が指をさしたのは私でした。

正確には私の後ろでした。

わたしが恐る恐る振りかえると

「あなたは、わたしのもの」

そのにはちかが立っていたのです。

私は子供の目をきにせず、叫びながらにげました。

さらにあれから5年がたちました。

彼女がわたしの前に現れることはありません。

ただ、あの日からずっと体がおもいです。

そしてなにより、変な癖がついてしまいました。

その癖は、常に左の手を腰の前あたりに置くという癖です。

今思えば、そこは彼女がいつも腕組みをしてる場所でした。

怖い話投稿:ホラーテラー KHさん  

Concrete 59189e6fb4d79119a63e92183ffb92aeb8f46031afd97d5db060811ce15c35e6
閲覧数コメント怖い
27900
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ