中編3
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おじさん!?

霊的な話ではありません。今思うと、なんて危険な…とゾッとする体験です。

もう何年も前の話、私の専門学校の受験当日の出来事です。

私はある仕事に就きたくてその為の学校の受験に一度失敗し、一年浪人し今年こそ!とヤル気を出して受験にはげんでいました。

私は気が小さく、受験も事前に受験時間と同じように場所に行ってみたりと万全をきしていました。

何校か受けながら、もちろん、受験日に寝坊もなく、と言いますか、夜中何度も目を覚ましてしまったりと…遅刻なんてありえない受験生の生活を過ごしていました。

なのにどうしてあの日、あの学校を受ける日、人生初の寝坊をしてしまったのかわかりません。

受験日当日私は寝坊をし、慌てて起き、駅に走って向かいました。

遅れたらどうしよう…

浪人して頑張ってきたのに…

間に合わなかったら、親に申し訳ない…

など思いながら走り、交差点を曲がり、ふと前を見ると、私の家の裏の家のおじさんが私に向かって大きく手をふっていました。

ん? おじさん? 私の受験日知ってたの? なんだろう? 今一大事だから! など思いながらおじさんに近づきました。

おじさんは私に、『乗って!好きなとこまで送るから!!』と言い車の助手席のドアを開けました。

私は、天の助け!これで間に合う!!と思い、『○○駅までお願いします!』と言いながらおじさんの車に乗り込みました。

おじさんは○○駅に向かう道にハンドルをきり、私はおじさんに心から感謝しました。

私は『ありがとうございます。助かります。』と言いハンドルを握るおじさんの顔を見ました。

!?

おじさんじゃない…っ!

『いやー。すごい好みの子が走ってくるから、思わず車止めちゃったよ〜。』

とおじさんが私に話だし、私は凍りつきました…。

このまま、どこかに連れていかれたら…

それより殺されたりしたら…

なんて考えてしまい、車から飛び出しちゃおうかなんて考えたりしていたら、○○駅が見えてきたので、私はほっとし、とりあえず、死にはしない…と思い、早く車から降りたい!!

と思っていました。

車は○○駅につき、よかった〜と安堵した私でした。

おじさんが『ついたよ。』と言ったので、お礼をして降りようとしたとき、『今日は幸せだったよ。これだけさせて。』といい、私の手の甲におじさんが口をつけてきました。

私はぎょえーっと思いましたが、無言で車を降り、駅に向かいました。

恐怖なのか 、混乱で、頭が真っ白になりながら、電車に乗り、受験会場にたどり着き、試験を受けました。

結局、何校か受験して受かったのが、その学校でした。

到着もギリギリで、おじさんに車にのせてもらわなければ間に合わなかったと思います。

手もあらう時間がなくそのまま試験を受けるくらい…

今、その学校を卒業し、国家試験に受かり、充実した日々を送っているのですが、時々おじさんを思い出し、感謝したほうがいいのか、どうなのか複雑な気分になります…。

それに、私は今もてる人生を歩んでいないのも複雑な気分です。ただ一人のおじさんにもてたのが私のモテ期だったんでしょうか…。

怖い話投稿:ホラーテラー マイコさん  

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