中編4
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バイト先で…2

予想外に好評だったので、他の話しも投稿したいと思う。

期待を裏切る内容だったら申し訳ない…

前回の投稿で、寿司屋の

デリバリーのシステムについては話したので、今回は省かせてもらう。

バイト先の配達可能エリアには、名もないような古い建造物が少なからず点在する。

例えば、江戸時代に作られた分岐点を示す鳥居。

林の中にひっそりとたたずむ謎のほこら。

城壁の跡。

その他さまざまなものがいくつも存在する。

それらによりオレが救われた時の話しだ。

22時閉店のこの店は、22時から片付けを始めるのではなく、22時に店を戸締まりする状態にするのだ。

しかしなかには閉店間際に注文する客もいるわけだ。

このシステムの嫌なところが分かるだろうか?

ようは、22時には店を戸締まり出来る状態にするということは、22時になる5分前とかに注文があると、またそのためだけに始めから準備をしなくてはならないのだ。

もちろんメンバーは帰りたいわけだ。

するとここから、通称『ラスデリじゃんけん(ラストのデリバリーじゃんけん)』が始まる。

負けたものは、寿司を握る時間+往復の配達時間余計に働かなくてはならない。

しかもこれが配達エリアの隅っこの方だと最悪だ。

その日もラスデリが入り、じゃんけんの結果オレが行くはめになった。

幸い場所は遠くはなかったが、仲間内で迷いやすいと評判のエリアB-4までの配達だった。

B-4は一番範囲が広く、道がいり組んでいて、なおかつ、地図上では「道」として表記されてる道路であっても、実は通れなかったり、人一人しか通れないような道が多いエリアなのだ。

場所も郊外のため真っ暗で、早く帰りたいということもあり、焦っていたのだと思う。

大通りから主要道路に入り、住宅街へとなんとか迷わず到着。

ここからが迷いやすい。

オレは至る所に自分だけの目印しがある。

コンビニだったり、中学校だったり、看板だったり…

今回の目印しは「六つ地蔵」だった。

ホラーでよくあるありきたりなパターンだが、オレは単に目印しとして使っている。

六つ地蔵は名称ではなく、オレが勝手につけた名前。

昼は普通だが、夜は神社の明かりに照らされて、まじで怖い雰囲気が漂っている。

しかしその日は、なぜか明かりがついてなかった。

そんなオレは気にせず六つ地蔵を目印しに右折し、入り組んだ道に入った。

ところが、どこで迷ったのか気付いたら山の中。

この山は昼でも嫌な空気が流れており、当たりにはゴミや、不法投棄された産業廃棄物でいっぱいの場所だった。

「やべー。遅れる」

怖いというより、配達時間が遅れる方が嫌だった。

地図も持っていないオレは、もう一度地蔵まで戻ろうとガムシャラに走るが逆に迷ってしまう。

そして一本の道を見つけ、デリバリーのカンで、この道だ!と確信して猛スピードで山道をかけ抜けた。

しかし、そこで私は見てしまった…

明かりに照らされてこちらを見つめる六つ地蔵を。

山道を少し抜けた平たい丘のようなところの、左奥にあの神社が見える。

そして、確かに照らされてなかった地蔵が異様なまでに明かりに照らされている。

なによりオレの角度からだと、地蔵は右を向いてるはず。

にも関わらず、地蔵はオレの方をじっと睨んでいた。

思わずその場で止まり硬直したが、配達のことを思い出して現実世界に引き戻されたオレは、怖かったが地蔵の明かりを頼りにもとの道に戻り、ギリギリで配達を終えることができた。

翌日、店の人間に言っても信じてもらえず笑われるばかり。

しかし一人の発言でその場が凍った。

「地蔵が向いてたか、向いてなかったかは分からないが、明かりに照らされるはずがないでしょ。この間そこの前通った時、地蔵を照らす明かりを撤去してたもん」

桶回収で再び六つ地蔵の前を通ったオレは、恐る恐る神社を確認した。

すると、バイトのやつが言ってたとおり、明かりを照らす装置は撤去済みだった。

オレは再び恐怖を覚えた。

『確かに…この地蔵たちは俺を見てた。間違いないのに。確かに向こうの丘から……!!??』

ない

道がない

いや正確にはある。

昨日迷った丘はあそこにある。

ただ道が続いてない。

その先は…崖!?

ちょうど昨日、オレが硬直した場所から10メートルほど先は崖となっている。

もしあのまま進んでいたら…

気のせいかもしれないが、その後地蔵を見たら地蔵は6体とも微笑んでいたように見えた。

数多く点在する古い建造物。

その中の地蔵に助けられた話しだ。

後日談だが、あの地蔵は昔、商人やそこを行き来する人たちの旅の無事を願ってつくられたらしい。

また機会があれば載せたいと思います。

乱文申し訳ない。

怖い話投稿:ホラーテラー 2Bさん  

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