長いです。
数年前、私はキャバクラでアルバイトをしてました。
基本的にやる気はなく、指名も1日2、3本あればいいところで、なるべくなら待機席にいたいというキャバ嬢でした笑
ある日、いつものように仕事していてたまたま着いたのがNさんの席でした。
Nさんは1人で来ていて、三十代半ばぐらい、その割には白髪が多いなあという印象でした。
その日は二時間ぐらい延長してくれて、下ネタも話さないし、喋りやすいし、今日はラッキーだったなぁぐらいにしか思っていませんでした。
それからNさんは多くて週に一回くらい私を指名で通うようになりました。Nさんは営業メール、電話をしなくても、というか携帯すら交換してなかったのに指名してくれるので、本当にラッキーだなーと浮かれてました。
たまにアフターに誘われてもやんわり断り、一回も店外で会うこともなく通ってくれてました。
2ヶ月ぐらい経ってから、ようやく携帯を聞かれたので、番号だけ教えました。(メールが嫌いなので)
Nさんとはいろんな話をしました。大好きだった母親が亡くなったこと、それがあってから家族、親族と縁が遠くなったこと。基本的に暗い話をされ、私が励ますといったかんじ。Nさんは日に日に痩せてくので、本当に精神的に疲れているんだなと心配していました。
ある日、元々奥さんとうまくいってないということを聞いていましたが、出会ってから3ヶ月ぐらいしてからでしょうか。離婚したと聞かされました。反応に困っていると、付き合って欲しいといわれました。
彼曰く、色々あって精神的な参っているときに私に会い、助けられたと。エッチとかしたいとかではなく、ただそばにいて欲しいと。
もちろん断りました。私は仕事で励ましていただけで、本当の私は違うよ、キャバクラはそういう場所で、勘違いしちゃだめだよ、と。本来キャバ嬢ならここからが引っ張り所なんでしょうけど、とにかくやる気がない私はめんどくさいことになった、折角(都合の)いい客だったのに切るしかないと思いました。
Nさんは、分かったよ、もう来ないと言い、その日Nさんはラストまで歩けなくなるぐらいに飲み、帰りはボーイに抱えられながら店を出ました。
見送っているとフラフラと窓の方に向かい(うちの店は三階)飛び降りようとされました。
そこは出口じゃないよ、と声をかけましたが、もう来ないと言った客だし、ボーイに任せて私は店に戻りました。(早く帰りたかったし)後でボーイに聞くと号泣してたそうです。
その日朝五時ぐらいにNさんから電話がかかってきました。もしもし、というともしもしって返ってくるのですが、それ以上はなにもしゃべりません。
どうしたん?と聞いてもしゃべらないので電話を切ると、またかかってきました。それの繰り返しでめんどくさいので着拒にしました。
Nさんのことを忘れて普通に暮らしていたある日、生まれて初めて金縛りにあいました。
なんとなく男に上に乗られ、両手を押さえつけられてるという感覚がありその男が耳元で何かを囁きます。
うまく聞き取れなくって、何となくメアド教えて?って聞こえました(笑)
メアドて!!と心の中で突っ込み、何となく緊張が解け寝てしまいました。
その話を友達にすると最初は店みんな笑っていましたが、ある一人がNさんじゃない??メアド教えてないんでしょ?と言ってきました。
まさかと思いつつ、携帯を見るとNさんから着信履歴がありすごくびびりました。
あれから着拒してるのに何回か着信はありましたが、タイミングが良すぎでした。
その日の夜コンビニに行こうと歩いていると、真上の街灯がバツン!!とすごい音を立てて切れました。
えっ!?と思いながら進んでいるとまた真上の街頭がバツン!!
三個目もバツン!!
辺りは真っ暗になり、怖くなったので走って家まで帰りました。
さらにその夜、寝ていると苦しさで目を覚ましました。気がつくと自分で自分の首を絞めてました。汗びっしょりかいました。
気を落ち着かせてまた寝ると(図太いですよね笑)Nさんの夢を見ました。
Nさんの車で、Nさんの助手席には私が。口論をしていて殺してやると言われ、車ごと谷へ。
血が流れる感覚と圧迫された感覚。こうやって死ぬんだと思い、意識が遠のいた瞬間目が覚めました。
完全にNさんに取り憑かれてると思いました。しかし、何もしようがなかったのでいつも通り仕事に行くとなんとNさんがその日来店したのです!!
指名はされなかったもののチラチラこちらをみてました。
ついた子に後で聞くと私のことを色々詮索していたそうです。
その後パッタリと不思議なことは起きなくなりました。
Nさんはその子に指名替えをしてまたうちの店に通ってました。
どうやら金髪にイメチェンした私が気に入らなかったみたいです(笑)
最後に働いていた店をやめる前、誰に聞いたかNさんが私を指名でやって来ました。気まずいと思っているとNさんから色々話してくれました。
本当に好きだったことと、金髪になってるのを見て近付きにくくなったこと、それでも別の子を指名しながら私を見ていたこと。
そして最後に、メアドぐらい知りたかったなあと言って帰って行きました。
そのセリフには鳥肌がたちました。でも、彼の中で思い出になってくれたようなので安心しました。
長くなりましたが、落ちが弱くてすいません。
事実はこんなもんです(笑)
怖い話投稿:ホラーテラー 元キャバ嬢さん
作者怖話