短編1
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知らない(2)

母とA君以外の5人は、A君の事を心配しながらも、テントの外で話をしたり、ボールで遊んだりしていました。

すると、数分後突然テントからA君が飛び出して来ました。

A君

『おばちゃんがっ……!』

さっきまで、具合いの悪かったはずのA君がとんでもない勢いで、泣きながらこっちに走って来たのです。

A君の様子を見た僕たちは慌ててテントの中に入りました。

すると、中ではさっきまで元気だった母が、真夏だというのに仰向きでブルブル震えているのです。

子供ながらに事態の異常さに気付いた僕と姉は、持ってきた布団を全て母に掛け、姉が手を握っていました。

普段は気の弱い父も、この時ばかりは必死に母に話しかけていました。

ですが、母の状況は悪化していきました。

『苦しい…。』

と、声にならないような声で放った、次の瞬間。

姉が「キャー」と叫んだんです。

いつもは、落ち着いている姉があんな声を出すとは何があったのかと、母の顔を父の肩越しから恐る恐る覗き込んでみると、僕も声を失いました。

そこには、僕の母でも無ければ、人間の女性とも思えない“何か”がブルブルと布団の下で震えていたのです。

怖い話投稿:ホラーテラー ひろろ軍曹さん  

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