短編2
  • 表示切替
  • 使い方

フランダースの犬

友人から聞いた話を、投稿します。

乱文すみません。

ある日、帰宅した友人は庭の片隅に、妙なモノを見つけた。

2m位だろうか。そこだけ言ってみれば空間が歪んでいるような、かげろうが揺らめいてるというか…

水で出来た人が立っていて、そいつを通して向こうの景色を見ているみたいだった。

何だコレ?

はじめは珍しい気象現象かと思ったらしいが、背中を走る悪寒にどうしても近づく事は出来なかった。

しかも家族の誰一人、それが見えない。

友人は気味が悪かったが、どうやら『それ』はそこに居るだけらしい。

無視する事に決め込んだ。(と、いうかどうする事もできなかったんだ。)

しかし、しばらくした日、友人は庭の反対側の隅にも『それ』が居るのを見てしまった。

最初は、移動したのかと思ったが違った。

2体目だ。

しかも何だか家に近づいている気がする。

増えてる…?

友人の嫌な予感は当たってしまった。

全部で4体。

今や家の中の四隅に『それ』は居るのだ。

真ん中で集まって、合体でもすんじゃねーだろうな?

友人は泣きたくなっていたが、それよりも、気になったのは、ここの所、寝たきりの祖父が弱ってきているらしい事だった。

そんなある日、夜更かしをしていた友人は、変な感覚に襲われた。

ずずずずっ……

音が聞こえた訳ではない。

振動が伝わった訳ではない。

でも何故か、そう感じたのだ。

勘のおもむくまま、祖父の部屋へ向かうと、『それ』は居たんだ。

真ん中に横になる祖父を囲むように、部屋の四隅に。

ずずずずっ……

不意にあの感覚。

『それ』が4体同時に動いた。

前屈みに、滑るように。

祖父のベッドの四隅へと移動し、やがて祖父の枕元へ…

祖父が目覚めたように、上体を起こした。

『それ』に誘われるように立ち上がる。

足元に体をのこしたまま。

やがて『それ』に囲まれて、『それ』も祖父も消えてしまった。

友人は動く事も出来ず、それを見つめるしかできなかった。

唯一の救いは、じいちゃんが笑ってた事だ。友人はそう言った。

そして、俺は友人の締めの話を聞いて、思い当たる事があって、テレビの前に座ったんだ。

あれは、いわゆる『お迎え』ってやつだったのかな?

聞いた話しじゃ、西洋っての?天使が四人集まると魂を運べるんだと。

お迎えってのは四人なんだなぁ

俺がみたのは『フランダースの犬』。

ラストシーン。

教会の床に横たわったネロとパトラッシュを、最初に天へと誘った天使。

四人(?)だ。

どうやら、お迎えってのは

四人なんだな。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

Concrete
コメント怖い
0
1
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ