中編3
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言い伝えと入れ墨

以前の投稿へのコメントありがとうございました。

私の祖先達は昔、他の村とは普段接触を許されない鎖された村の一員だったそうです。

大体が、一族の村だったのですがすごい霊力などがあり、それを周りに気味悪がられ住んでいた土地を遠く離れ、ここに来る者も居たそうです。

『一度この村に入ると、何かの力で出ていく事が出来ひんかったかもしれへん。来るのも何かに呼ばれたんちゃうか。』

と親父は言ってました。

その村の者が唯一、外と接触出来たのは、

『魔物退治・封じ』

の時だけだった。

時には関係のない人を殺し、村を焼き、消滅させてきた。

この村の先祖達は全く常識がわからなかった。生まれも育ちもこの村の先祖達は、『普通』じゃなかった。

とにかく、言われた事をしなければ自分も村も、生きる事が出来なかったから従う事しか出来なかった。

それが当たり前だと。

魔物退治の噂も広まり、ある日

妖怪?に取り憑かれた寺をどうにかしてほしい。寺ごと憑かれ、和尚も皆、人間ではなくなってしまった。近くの村はほとんどが殺され、食われ、地域が全滅寸前だ

と依頼が来たそうだ。

これまでにない事だと悟った皆は長老を含め、若い者も歳を取った者も、男も女も退治出来る力のあるのはほとんど村から出て行った。

村に残ったのは子供や妊婦、退治で足を無くして歩けなくなった人達だけだったそうだ。

今まで苦戦はあったが、あれだけの力を持った皆が行けば退治もそうかかる事もないと村の皆は最初、思っていた。

ここからは村に残った皆の話しかわかりません。

それから何日も経った。

何の連絡もこない。伝達もぱったり来なくなった。

そして、ある日の夜中、村に残った足を失った老人の家に子供たちが呼ばれた。

老人は言った。

『皆死んだ‥たった今‥最後の一人が死んだ。ここに退治出来なかった親玉の子が来る‥』

それから老人達が集まり火を焚いた。皆歩けないから必死に地面を這って‥長老の家で墨を入れる用意をした。

まだ小さな子供達は怯えて震えていた。

グズグズしてる暇はない。

老人達は手分けして子供から順番に、胸に彫っていった。

ようやく、子供達を彫り終わる頃には、明るくなりかけていた。

老人が言う。

『お前達は奴から見えない。でもきっと奴は何代もかけてここの生き残りを探し出すだろう。だから、お前達は出来るだけここから離れるんだ。子、孫、ずっとずっとこれを続けなさい。きっとこの入れ墨を知ってる人は居る。この村を出たら三日、一言も口をきくな、見つかるかもしれん‥さぁ行くんだ!皆、バラバラに走って遠くへ遠くへ逃げるんだ‥!』

老人は隠れ道と呪文を教え、子供達を逃げさせた。

その時、逃げて、生き延びた子供達の誰かが私の先祖にあたるみたいです

きっと、何代も口伝えで伝えられた事なので内容が一人歩きしてるのかもしれませんが、親父から聞いた話です。

読みにくい文章、最後まで読んでくださりありがとうございました。

怖い話投稿:ホラーテラー 花さん  

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