短編2
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女子の本性

小学四年生のある日の話。

私は、学校から離れた地域に住んでいたので、バス通学をしていました。

放課後は、バスの来る時間まで教室で読書をし、暇つぶしをするのが日課でした。

いつもは、教室にも沢山のクラスメイトが残って遊んでいたのですが、

その日教室には、三人の女子と私だけという少し淋しい日でした。

この三人は、学年の中でも人気のある、結構かわいい子達でした。

私が居たからでしょうか、女子はヒソヒソと密談をしているようで、時折笑い声もします。

私は読書に夢中で、気にもしていませんでした。

「平気平気。」

「やろ。」

と女子の声が微かに聞こえ――。

「うぇぅぅおぇぇおぇぇ!」

突然、教室に響く野太い声。

びっくりして音の顔を向けると、

三人のうち一人が、とある女子の『机の中』にゲロっています……。

「?!」

呆気にとられる私を気にもせず、吐きまくる女子。

さらに、別の一人がストーブ用の灯油をぶちまけます。

もう一人が、ゲロと灯油の湖に、画鋲やら木工ボンドやら花壇の土やらを追加します。

「「ギャハハハハハ」」

響く下品な笑い声……完全に硬直する私。

ひとしきり暴れた後に、女子たちは満面の笑顔で

「言わないでね♪」

と言い、帰っていきました。

私は独りで何が起きたのか、まったく理解出来ないままに、

汚物と化した机を茫然見つめるしかありませんでした。

机の所有者はHさんという、少々我が儘で嘘つきな子でしたが、

何が彼女たちをここまでさせたのかは謎でした……確かに好かれるタイプではありませんが。

私は、夢ではないかと思いながらも、だんだんと現実の実感がわいてきて、

恐しくなって半ベソで職員室へ向かおうと教室を飛び出ました。

しかし、その瞬間に私は硬直しました……、廊下の先からニヤニヤと私を眺める帰ったはずの三人が居たのです。

「どこいくの~?早く帰りなよ~♪」

と、彼女たちが笑いかけてきます……。

私は、即座に教室戻るとランドセルを掴み、上履きのままバス停まで逃げ帰りました……情けない事に。

翌日、彼女たちは

「何これ!ひどい!」

と、Hさんを慰めていました……。

『女は恐い』と幼いながらに知った苦い思い出……。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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