短編2
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子機

僕が唯一体験した恐怖というか不思議な話です

一昔前、「あなたの知らない世界」というテレビ番組があったのをご存知の方は多いと思う。

まさにこのサイトのように視聴者の心霊体験談を再現ドラマ化した番組だった。

僕はこのサイトに来てる事からも分かるように、オカルトには目がなく、ある日「あなたの知らない世界」を彼女の家で見ていた。

放送が始まってどのぐらいの時間が経っただろうか。突然、彼女の家の電話が鳴った。しかし、昼食の支度をしていた彼女は電話の音に気づいていない様子だ。僕は彼女を呼んだ。

「電話鳴ってるで」

すると、彼女が料理の手を止め僕に駆け寄ってきた。彼女は

「電話?ん?ちょっと待って!この音、親機が子機呼んでる音だよ!」

と言う。その時、僕は誤作動でも起こしたか?と何気なく思っていたが、彼女は「子機はもう2ヶ月ぐらい前から行方不明になってる。それに充電がないはずだからおかしい!」と言うのだ。

僕は親機の受話器を取り呼び出し音を切ろうと、再び受話器を置いた。

しかし、あろう事か親機は呼び出しを止めない。

僕は番組を見ていた恐怖もあって血の気がひいたが、彼女も怯えているので、とにかく子機を探そう!という事になった。音のする場所を探す。彼女の部屋はワンルームで女性にしては物も少なく、簡単に見つかるはずに思えた。

しかし、音の聞こえるベッドの下付近に子機は見当たらない。次に僕はベッドの下にある衣装ケースを開けた。すると衣装ケースの一番底から子機が姿を現した。まだ子機は鳴り続いている。

「この衣装ケースは子機が無くなるずっと前から開けてない!」

というのだ。もう彼女は恐怖で泣いていた。

僕は恐る恐る子機のボタンを押し、受話器をそっと耳に当てた。

受話器からはジーーーッという機械的な音が流れているだけだった。

僕はやはり彼女の勘違いで衣装ケースに入れているのを忘れていて、呼び出しも何かの誤作動だろうと思い少しホッとし、子機を切ろうとした次の瞬間だった。

ただ…い…ま…

その声は微かながら確実に子機から聞こえた。

青ざめた僕はとっさに子機を切り、彼女を外へと連れ出した。

その後、僕は彼女を自分の家に呼び同棲させた。翌月彼女の家を引き払ったのだが、引っ越しの時、親機の留守録にはあの機械音が数十件残されていた。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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