中編3
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遠い夏の記憶

文章力に自信はありませんが、投稿させて頂きます。

生まれは東京都なんですが、小学生の頃、1年間だけ家庭の事情で父の故郷である某県の某町で生活していた時の話です

その地区は山に囲れ、どことなく閉鎖的な環境だったのをよく覚えています。

私は祖父の家から地元の小学校に通っていましたが、近所に子供がいない為か、放課後はいつも祖父に連れられ池で魚釣りをしていた記憶があります。

魚釣りは楽しかったんですが、私は正直祖父に馴染むことができませんでした。

その理由は、池で魚釣りをしている時に話す、この土地の話が怖かったからだと思います。

可能な限り、記憶を掘り起こして書いてみようと思います。

会話に出てくる○○は私の名前です。

祖「○○、この池はのぅ、昔は真っ赤だったんばい」

私「水の色が赤かったの?」

祖「そうそう、真っ赤でのぅ、とてもとても釣りが出来るような池じゃなかったんよ~」

私「どうして赤かったの?」

祖「この池へ来る時、川があるやろ、その川の向こうの連中がの、そこに見える山の連中に殺されてしまうんよ

そいでの、亡骸をこの池にほおるんよ」

私「無言」

祖「昔はそりゃぁ差別が酷かったもんよ~」

私「さべつ?」

祖「そう、昔の人は心がすさんどったんよ、わしらは生まれた場所がよかったんやなぁ」

私「???」

祖「力のあるもんが貧しいもんをいじめていじめていじめあげたんよ、ほいで、貧しいもんは耐え忍んでおったんじゃけど、いつからか山に逃げ込んで山賊になったんじゃなぁ」

私「無言」

祖「山賊になって、今までいじめてきた連中を殺してしもうたんよ。

なぁ、○○、その後どうなったかわかるかい?」

私 首を横に振る

祖「今度は川向こうの連中がもっと強い力で、もっと酷い方法で山に逃げたもん達を殺したんよ、すぐには殺さないで、拷問をしてのぉ、そりゃぁ地獄やったろぉの」

私「じいちゃん怖い話嫌だよ~」

祖「○○、これは怖い話と違うんぞ、学校でもちゃんと勉強する事ばい、ほれ、そこみてみぃ」

祖父の指差す方向には大きな看板が、そこにはこう書かれていました

差別をなくそう

祖「ほら、あっちにも」

みんなで取り組もう人権問題

よくみたらたくさんの看板に似たような言葉が書いてありました。

私は子供ながらに、この土地は未だにそういった問題がある土地なのかと身震いしました。

すると祖父が唐突に

祖「こんなん書いとるけどのぉ、今じゃ、逆差別になっとる、差別されてきたもんが」

ここまで言って祖父が急に黙ってしまいました

ハッと後ろを向くと、数人の男の人達が新しい看板を立てていました

祖父が帰ろうかと促したので、私達は家へ帰りました。

祖父は晩御飯の時間になると、晩酌で焼酎を飲んでは

祖「○○よぉ!▲△のもんとなかようしたらいかんぞぉ、間違いでも起こしたら、仕掛けてくるきのぉ、付き合いしたらつまらんぞー」

今思えば、この祖父の発言こそ差別ではないかと思います。

あれから20年、もう祖父母は他界し、私は久しくあの土地へ行ってません。

子供の頃聞いた祖父からの話、あのたくさんの看板

都会に住む現在は、あの頃の記憶が薄れる事もありますが

今でもたまに思い出す、遠い夏の日の記憶でした

みなさん、霊的な話でなくて申し訳ありません。

また長文、駄文申し訳ありませんでした。

そして最後まで、お付き合い頂き本当にありがとうございました。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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