それは私が小学3年生の頃の休み時間での事でした。
次の授業が音楽だったので、1階にある教室から3階の音楽室まで移動しなければなりません。音楽は30分の昼休みを挟んでの授業だったので、まだ教室にいるものや、運動場に遊びに出るものとそれぞれでした。
私は先に楽器で遊びたかったので、先に音楽室に向かいました。
音楽室につくと既に何人かいて、机を合わせて何かやっていました。
私:「なにしてるの?」
友達:「コックリさんって知ってる?こうやって紙の上に10円玉を置いて何人かで指を乗せると勝手に動くんだよ。やろうぜ」
興味本位で私もコックリさんをやってみます。
「コックリさんコックリさん…」
すると指が勝手に動き始め、紙に書いてある字を示していきます。
でも、誰かが動かしてんだろう。という気持ちはしていました。
そうしている内に音楽室に一人、また一人とクラスメイトが集まってきます。
コックリさんに興味を持ったのか、あちこちで机を合わせてコックリさんを始めだしました。
その中で2人の女子がコックリさんをやっていたのですが、なんか様子がおかしいのです。
しばらくすると一人は呻き声をあげだし、もう一人はその場に泣き崩れました。
「保健室につれて行こう!」
周りにいたクラスメイトが女子2人を保険室へと連れていきました。
友達:「おい、なんか気味悪いな。コックリさん止めようぜ」
私「うん。」
静まりかえった音楽室。
「ガララッ」
先生が入って来ました。
先生は先ほどまでの事を知らないので、一人が説明しました。
先生:「コックリさんやってたの?」
友達:「はい。」
先生:「みんな席について。あのね、先生もみんなと同じくらいの時、コックリさんをやった事があってね。でもね、霊は遊びで呼んではいけません。保険室に行った2人はきっと霊がみんなに遊びで呼ばない様にって注意してくれたのよ。わかった?」
はい。
返事をひとつした後に教室の中はまた静まりかえる。
「ガラガラ」
さっき女子2人を連れていったクラスメイトが保健室から帰ってきた。
「保健室まで連れて行ってくれたのね。貴方達ありがとうね。」
すると、
友達:「先生、おかしい…」
先生:「うん?」
友達:「あの2人おかしい!子供が、子供がってめっちゃ叫んでた。」
私は凄く怖くなりました。
先生:「…もう一度みんなに忠告しておきますが、今後遊びで霊を呼んだりしてはいけません。保健室にいった2人は今苦しんでいます。みんなでごめんなさい。と手を合わせましょう」
私達は先生のいわれるがまま「ごめんなさい」と祈りながら手を合わせました。
音楽の授業が終わり、次の授業で保健室にいった2人は帰ってきました。
これで霊は許してくれたんだと私や他のクラスメイトは思っていました。
しかし、保健室に行った2人の女子の内1人はその後もおかしな行動をとるようになりました。
授業中に突然発狂しはじめたり、泣きわめいたり、急に倒れたり。それは小学校を卒業し、中学校に入ってからもでした。
噂で聞いたのですが、口の中から白い蛇が出てきた事もあったそうです。
高校はその女子とは別だったのですが、一度だけ会った事があります。青ざめた顔、切れ細い目。
それ以来、その彼女を見た事はありませんが、ただ一つだけ私を含めその時クラスにいた友達全員が確信出来る事は、その1人の女子はあの時、コックリさんの儀式をした後からおかしくなったという事です。
怖い話投稿:ホラーテラー 呪人さん
作者怖話