短編2
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雨女

子供の頃一人で留守番していた時の話です。

両親は共働きで弟は友達の家にいき、僕は母に咎められる事なく一日中ゲームをしていられると留守番を喜んで引き受けました。

お腹が空いたのでふと時計を見ると6時過ぎ。

お母さん遅いなぁ…などと台所にいき何かないかとあさっていると、急に雨の音が激しく聞こえ始めました。

一瞬飛び上がりました。台所から窓を見ると、雨足が激しくなってきた様子。

これじゃあ外遊びはとうぶん無理か…とため息混じりでゲームの続きをしようと居間に行くと、窓の外に女が。

「誰だッ?!」

僕はへっぴり腰になりながらも女を睨みつけました。

女はびしょびしょに濡れた長い髪をずるりと引きながら、クスクスと笑うばかり。

こどもながらやばいやばいと焦りを感じ、僕は逃げようと考えていると…。

女がバンバンと窓を叩き初めてガタガタと揺らし始めました。

僕はもうパニックになって叫びながら自分と弟の部屋へかけこみました。

どこに隠れよう…と焦っていると下からパリンとガラスが割れる音がしました。

もうパニックになって僕はクローゼットの中に飛び込みました。

まもなくしてギシギシと階段を上がってくる音が、そしてこの部屋のドアを開けられた音が。

びちゃり、びちゃり。

と女の足音がすぐ側まで来ました。

『あっちいけ!こっちくんな!!』

祈りが届いたのか足音は遠くなりました。

ふぅ…て息を吐くとクローゼットが、がらり、と開けられて女が立っていました。

「みぃーつけた。」

と女がニタァと笑うと同時に、

「ただいまー遅くなってゴメンねー」

と母の声がし、女はボソリと何かを呟いて消えました。

腰が抜けて動けないでいると、

「なにこれ!!」

母が階段を登って僕に下の惨状はなんなのかと怒鳴りつけて来ました。

下に行って見ると窓ガラスが割れた跡と誰かが部屋に入って来たような水たまりがありました。

訳を話すと母は信じてくれませんでしたが父は信じてくれたようで、お前が変なのに連れていかれんで良かった良かった、と笑ってくれた時は父を見直しました。

怖い話投稿:ホラーテラー 金丸さん  

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