長編12
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虐待の末路

僕の実体験です。

14年前の小学一年~中学二年の時までの話です。

まず僕が寝ていたのは、物置に使う屋根裏部屋でした。(棒で階段を引っ張りだすやつです。)

そこで寝るように父から言われていました。

まず朝父が起床するまでに僕が先に起きて正座で父が来るのを待つ所から1日の始まりでした。

朝食は、毎日食パンだけしか与えてもらえず 

僕は、学校に行く以外部屋からは出られないようにされていて毎日食事は部屋で食べていました。

トイレに行く事も許されず屋根裏部屋に簡易トイレが設置されていてそこで用を足してました。

まず父の言いつけで就寝時間になるまでは、必ず正座をしとかないと駄目で少しでも足を崩すと父の拷問が始まりました。

屋根裏部屋だから来た時に正座をすればいいって思うでしょうがそれは出来ませんでした。

なぜなら父はカメラを正座する場所に固定して撮って毎日確認されていたので出来ませんでした。

ただ正座するのではなく必ず背筋をピーンとはっていないと駄目で僕はまだ低学年の頃は我慢できずに足を少し崩したり背筋を曲げたりしていました。

そうすると父が帰ってきてビデオを確認し激怒した父は、まず手足を縛り首を絞め何度も何度も落ちる寸前でとめる事から始めました。

次に裁縫の針をおしりや尾てい骨など人には見られない場所を時間にして1時間以上やられてました。

ほんとに機嫌の悪い日は肛門が隠れるように縫合し無理やり縫った所を引き抜かれ本当に地獄でした。

肉体的ダメージも相当ありましたが父におまえは虐待される為に生まれてきたんだおまえなんか母さんも嫌ってるし兄弟みんな嫌っているなど言葉が一番辛く寂しかった。

そんな生活を毎日送っていましたが唯一の救いが学校に行ってる時と僕が帰宅して父がいない間母がカメラのテープ交換をしに来る時でした。

学校には父がいないそれだけで心が開放し安息の地でした。

只テレビをその当時みせてもらった事がなく話しについていけない時は凄く辛かったです。

母がテープを交換する時ほんの数分ですが会話が出来る唯一の時間でした。

母はいつも泣きながら謝っていました。

お父さんを止めなくてごめんね助けてあげたいけどお母さんには止められないと

母に僕の事愛しているのかと聞くと愛してるそれなのに守れなくてごめんと言われましたが愛してくれているとわかって本当に嬉しくて僕さえ我慢すればうまくいくと思いずっと耐え続けようと決心しました。

それからずっとそんな生活が続き中学に入学してから僕の人生は変わりました。

中学へ入学してからは身体も大きくなってきたからなのか?

言われた通りに正座をしていても暴力暴言なにもかもがひどくなっていきました。

父は自分の手が痛くなるからと言ってベルトで何度も体を打ち付けてきました。

体中があざだらけになりあざを先生などに見られ時は学校でいじめにあってる仕返しが怖いから誰かは言えないと言わされていました。

それから半年ぐらい経った頃に父がいじめにあってると学校に怒鳴り込みに一緒に行った事もありました。

今でも父が先生に言った言葉は、忘れません。

いじめたガキを見つける事もできないのに教師なんかやめた方がいいおまえには生徒を束ねる力がない。

そんなんでよく給料貰って平然としてられるな?

頭いかれてるんじゃないのか?

人を教育する前に自分自身を教育し直した方がいい。

私の息子はこんなになるまで入学間もない頃から絶えているのに何も行動を起こさないおまえは異常者だと

確かにいじめられる側にも少なからず問題もあると思うがやはり当事者が一番悪い息子が楽しく学校に登校出来るように早急に解決してくれと…

僕は、そこまでする父を憎いって気持ちは多少ありましたが、その当時は異常な考えをもった化け物恐怖の塊絶対的存在にしか見えませんでした。

なので誰にも何も言えずただ父の言いなりになるしかなかった。

嫌な事ばかりでは、ありませんでした。

入学して同じ席になった女の子と毎日会うのが楽しみでした。

誰にでも優しくて無邪気な凄く素敵な女の子でした。

毎日学校で顔を合わせ今まで感じた事がない気持ちで胸がドキドキしてこれが好きになるって気持ちなんだなと嬉しくなりました。

異性を好きになったのはそれが初めてで好きだと思うようになってからは話はしますが今までのようには話せませんでした。

その当時自分は友達だと思ってたA君にいつものようにたわいもない話をしている時に好きな子いるの?と訊ねられ友達だしだれにも言わないと約束したので教えました。

するとA君は俺に出来る事は何でも力になるからなと言ってくれいい友達だとその時は思ってました。

それから父が学校に抗議に行った事もあり担任からこのクラスでいじめにあってる生徒がいますと話始めました。

いじめにあってるのは○○君で誰がいじめてるのか知ってる人は先生に教えて下さいといじめなんてないからみんな無言で話を聞いているだけでした。

担任の話が終わり休み時間になるとA君や他のみんなが誰にいじめられてんの?と聞いてきて

またそこで僕は仕返しが怖いから言えないとしか返せませんでした。

その時の嘘をついてる罪悪感や後ろめたさでみんなの視線が辛かったです。

その後何日か経って違うクラスの不良グループのメンバー3人が突然僕の所に来ました。

その中の一人がちょっと来いと言うので僕は、訳もわからずついて行きました。

すると呼び出しされて○○いじめたのはおまえらだろ?と僕の担任と生活指導の先生に言われたとその3人が言ってきました。

僕のせいで周りを巻き込んで申し訳なくその3人に謝りました。

謝るだけで許してくれる訳もなくリーダ格の男がおまえ誰にいじめられてんの?

僕は仕返しが…といつものように返すことしかできませんでした。

するとさらに拍車がかかり俺らよりそいつが怖いってなめんじゃねーぞと殴られました。

おまえが誰にいじめられてるかわからない内は、俺たちがいじめてるとセンコーに思われてるし今日から卒業するまで毎日いじめてやるよと言われ3人にぼこられました。

それから不良グループのいじめが始まりました。

僕の嘘が悪いので先生に言える筈もなくただ耐えるだけの毎日でした。

でも父という存在があったからなのか正直いじめられても怖さは、あまりありませんでした。

それから僕が不良グループにいじめられてるのは、他の生徒もわかっていました。

ですが暗黙の了解といううか誰も先生に告げ口する生徒はいませんでした。

周りのみんなも僕を避けるようになりただA君だけは、いつもと変わらず僕と会話してくれてました。

それも束の間でしたが…

それからも相変わらず学校でも家でも暴力を受ける日が続きました。

そして僕とA君が廊下で話をしてる時に不良グループが来ました。

リーダ格がA君におまえこいつの友達?

A君は、即答ではいと答えました。

みんな○○を避けてるのにいい度胸してるなおまえもいじめられたいの?

いじめられたくなかったらこれから○○とは喋るなと言われA君ははいと返事をしました。

凄くショックでしたが、僕は父に恐怖を覚えるのと一緒でA君も怖いんだからしょうがないと自分に言い聞かせました。

するとリーダ格の男がA君に僕を殴れと言いました。

でもA君は出来ませんやりたくないですと答えてくれほっとしましたがその瞬間A君が思い切り殴られました。

殴らないとおまえをぼこぼこにしてやるからなと言われA君は僕に殴るというよりじゃれ合ってるぐらいの威力で手加減してやってきました。

それを見てまた不良グループのメンバーはA君を殴りました。

これが殴るって言うんだよもう一発本気でやれと言われ次は思い切り殴ってきました。

怖いからA君が殴るのは仕方がない事と思う反面僕にはもう友達が一人もいなくなったんだなと思い家に居ても学校に居ても居場所がなく無性に悲しくて寂しくなりました。

それから毎日不良グループは僕のクラスに来てA君と僕を呼んでA君に僕を殴らせました。

初めは嫌がりながら殴っていたA君が次第にエスカレートしていきました。

不良グループも殴っても何も反応しない僕に飽きてきて1ヶ月が過ぎた頃に突然A君がそう言えば○○はB子が好きだったと言う話を不良達に話し出しました。

その時のA君のへらへらした顔が目に焼きついて離れません。

今までは怖くてやらされていたA君を被害者だと思っていましたが毎日殴ったり不良グループと付き合いをして行くうちにA君も不良と変わらない人間になってました。

慣れや習慣は怖いと思いました。

そしてA君からB子の事を聞いた不良達は、すぐにB子の所に行き○○がB子好きなんだって毎日ずっとB子の事考えてるっていってたよといいました。

でもB子は黙ったまま何も言わずにその場を去りました。

リーダ格は黙って逃げたって事はおまえが嫌いて事だよおめでとうと言って自分のクラスに戻って行きました。

その時は本当に腹が立ち殴りたい気分でした。

それから殴る行為は少なくなりましたが、不良たちが僕の鞄や机にB子の体操服や所持品など隠したりしてきました。

僕じゃないのにB子に最低と言われ不良達とA君がゲラゲラと笑っているのを見て何を思ったのか僕はリーダ格の男に飛び掛り首を絞めて殺そうとしていました。

その時は頭が真っ白であまりよく覚えてなくて気がついた時はリーダ格が気を失って倒れていました。

すぐに職員室に連れて行かれ何故したのか聞かれましたがわかりませんとしか答えられませんでした。

それよりも僕が父に普段首を絞められ嫌だと思っている事をしている事にゾッとしました。

リーダ格は落ちただけで命に別状はなく大丈夫でした。

その後リーダ格も先生に呼ばれて事情を聞かれたが遊んでてああなったと言うだけで終わりました。

それから僕に近づく人は誰もいなくなりました。

それから次の日登校すると教室の前に3年生がいました。

○○か?

ちょっと話があるからついて来いと言われついて行きました。

この人が僕の人生が変わるきっかけになると思いませんでした。

小分けにして書いてしまいすみません。

書いていると当時を思い出し辛くて…

次で終わりなので最後までお願いします。

無言のまま3年生の後ろについて行き屋上に入る手前の階段でその先輩は腰をおろしました。

僕は、上級生と話した事もなく訳がわかりませんでした。

そして先輩が話し始めました。

昨日弟の首を絞めたらしいな?弟に聞いたんじゃないから詳しく知らないけど…

その先輩は、リーダ格の兄だったのです。

何があったんだ?と聞かれたので僕は、いじめられた事やなんでいじめられるようになったのかも細かく説明しました。

やはり誰にいじめられてるのか先輩も聞いてきました。

そこはまたいつものように仕返しが怖くていえません…と返しました。

僕の心の中で次はその先輩にいじめられるんだとおもっていましたが違いました。

言えないならしょうがない

でも俺に言えばいじめなんかしないようにさせてやるよと心強い言葉を言ってくれました。

その先輩も不良ですが弟とは違ってチャラチャラしてなくて凄い硬派な方でした。

そしてその先輩が不良グループのメンバーたちを呼び出しいじめてたお前たちが悪い

これから○○をいじめるような事があったらただじゃ済まさないと言ってくれました。

本当に嬉しかった今まで僕の味方をしてくれる人がいなかったから

そして先輩は何かあればいつでも俺の所に来いよ

いじめが嫌ならそいつらに少しは抵抗してやれ

そうすると少しはびびるしなと言って3年の校舎に帰って行きました。

それから先輩が僕に気をかけてくれるようになり学校で先輩といる事が多くなりました。

先輩と話していると何か凄く安心感がありました。

先輩は僕の顔にあざが出来る度に

俺が絶対に手を出せないようにしてやるから言ってみろといってくれましたが、僕はずっと言えずにいました。

すると先輩が俺と学校でほとんど毎日一緒にいるのに、いついじめられてんの?と聞いてきました。

僕は返す言葉をフル回転で考え下校途中とかですと言いました。

そしたらこれから一緒に帰ろうぜ近くまで行ってやるよと言い送ってくれるようになりました。

それからも相変わらずあざがなくならない僕を見てもしかして虐待されんじゃないのか?と言ってきました。

僕は違いますと答えると先輩が自分の事を話し出しました。

俺の家は、父子家庭で弟と3人暮らしていて

俺と弟は小学生の頃から虐待にあっていて俺が弟を守るしかないと決めていたけど小学生の自分には守る力もなく仕返しする機会をずっと待っていたんだよ

そして俺も学校で出会った人がきっかけで悪の道に進んでしまい逆に親父に俺が毎日暴力を振るうようになってしまったと…

同じ境遇の先輩の話を聞いて喉から手がでるくらい僕の今の心境を話したかったけど言えなかった。

でも先輩は、言っていました。

俺が暴力を振るって親父の虐待はなくなったけどそれからの親父は俺と会話する事もなくなり避けるように生活をして

俺が家にいるだけで空気のような生活を送っていたと

虐待されてる弟を見てるからこれで良かったと思うようにしてるが、そんな弱い親父を見てるのも辛くほとんど家には帰ってないと

俺たちが我慢すればよかったかなと少し思っていると…

だからもし虐待なら俺は最後まで責任もって助けてやるから本当の事を言ってみろと何度も言われましたが違うの一点張りで通しました。

先輩は俺が言える事じゃないけど暴力だけで押さえ込んで

その場が終わっても何の解決にもならないと言われました。

その後もあざは増える一方でしたがそれについて先輩が触れてくる事はなくなりました。

それから月日が経ちたわいもない会話や先輩と楽しく過ごしていました。

ですが先輩の卒業式の日が段々迫ってきました。

僕は、それを考えるだけで寂しくて先輩と話しているだけで涙がとまりませんでした。

先輩は、卒業しても○○とつるむにきまってるじゃないかと言ってくれましたが

僕は学校に居る以外は家に真っ直ぐ帰らないと駄目なのでそれは出来ないと心で思いまた悲しくなりました。

とうとう卒業式の前日になりました。

僕はもう先輩が居なくなる不安と

もう卒業してしまうと先輩に会えないと言う気持ちで物凄く怖くなりました。

僕は、先輩に勇気を振り絞って全て話を話そうと決めました。

今まで誰にも話した事がない僕は涙がとまらず泣きじゃくり話すにも中々言葉になりませんでした。

そして先輩も何も言わずに黙って話を聞いてくれました。

全て話し終えると先輩は泣いていました。

辛かったな苦しかったなでももう大丈夫俺がどうにかしてやるから心配するなと

先輩に言われると凄い説得力安心感全てほんとにそうなるように聞こえました。

それから先輩も卒業し僕も2年になってから数日過ぎた頃先輩が校門の前に居ました。

先輩は何も言わずに行くぞといい僕は、ついていきました。

するとそこは、児童福祉相談所でした。

そして先輩は俺がいるからありのまま全て話してもう楽になろうと

いってくれ僕は先輩がいてくれたので心強く全てを話して体の傷なども見せました。

そして僕は相談所で一時保護となりその後は児童福祉施設へ入所して

父は傷害罪で逮捕されました。(数ヶ月出てきましたが)

それから僕は、施設の近くの中学に転校し友達も彼女もできて卒業後先輩の建築の仕事をさせてもらう事になり高校へは行かず会社の寮に入りました。

それから中学から付き合っていた彼女と昨年結婚し妻と子供と3人で幸せに暮らしています。

結局僕は自分の力ではなにもできなくて不甲斐ないとおもいます。

本当に先輩には感謝の気持ちでいっぱいです。

施設に入ってから親と兄弟には会っていないので、母には子供の顔をいつか見せに行ける日がくればいいなと思っています。

最後まで読んでくれた皆様ありがとうございました。

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怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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