仕事の帰りに、駅のコインロッカーの前で泣いている女の子を見つけた。
三歳か四歳くらいか…あんな小さな子供が泣いているのに周りの人は冷たい者だ…
皆女の子に声を掛ける事なく素通りだ。
見るに見かねた俺は、女の子に話掛けた。
「どうしたの?迷子かい?」
女の子は黙ったままだ…
「どこからきたの?」
俺が訪ねると、女の子は子供とは思えない低い声で言った…
「ワカラナイ…」
「何処へ行くんだい?」
「ワカラナイ…」
「君の名前は?」
「ワカラナイ…」
「お母さんは?」
「ワカラナイ…」
俺が何を聞いても、女の子は低い声で「ワカラナイ…」と言うばかり…
気味が悪くなった俺は、最後にこう聞いた。
「お父さんは?」
すると女の子は、今にも飛び出しそうな真っ赤な目を見開いて言った…
「オマエダアアアア!」
俺は叫んでしまった…
「俺は童貞だああああ!」と。
女の子は憐れむような顔をして消えて行った。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話