短編2
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ツトムとスグル

「なぁ、ツトム、今度一緒に誰か脅かしにいかない?」

そう僕に声をかけたのは、僕の友達のスグルだった

スグルは僕は同じ1ヶ前に死んだ幽霊で、生前、彼は無職だったらしい

そして僕も生前は無職だった。だから気が合ったんだと思う。

「スグルだけいけよ。僕は…別にいいよ。そんな恨みとか無いし…」

そして僕とスグルは死後も無職だった

他の幽霊が生前の恨みをはらそうと働いている時も、僕とスグルはめんどくさいと何もしなかった。

そのせいで僕らは成仏は出来なかった

「だってお前、ツトムよ。このまま成仏しないでフラフラしててもよ…。せめてなんかしようよ。夢に出るとかさ、ラップ音鳴らすとか…」

「じゃあスグルだけやれってば…。他の幽霊だってシングルで頑張ってんだからさ」

「別にツインだって良いじゃん…。」

「だって僕とお前ただの友達じゃん…。ツインで出るならせめて共通の恨みとか持ってないと…」

僕とスグルはいつもこんな感じにウダウダとだべっていた。

お互い口だけは達者なのは生前も死後も変わらない

「共通の恨みって、ツトムの恨みなんなの?」

「知らない」

「はっ?」

「なんか、死神がそれについてボソボソ言ってたけど途中で寝ちゃった…(笑)」

「ツトムお前…」

「なんだよその目は…。じゃあスグルは何?ちゃんと恨み(目的意識)持って幽霊やってるわけ?」

「った、たりめーだろ!お、俺の恨みはかなり根強いんだよ!そんじゃそこらの霊媒師じゃ発狂するね。」

「ああそう、へー、凄いね。(棒読み)」

「あ、なにそれ、なんかムカつくんだけど?その態度…」

「じゃあなんなのスグルが成仏出来ない理由って…」

「……就職出来なかったから」

「………え?」

「働いてないことが未練だったらしい……」

「そりゃ確かに発狂するわ(笑)っていうかお前誰を呪うんだよ(笑)自分が悪いんじゃないのそれ?」

「……いや、社会を呪おうかなって……はは……」

「お前……」

「まぁいいや。ツトムよ。誰か呪いにいこうぜ」

「誰か呪いにいこうぜって、恨みある人いるのスグル……?」

「俺をこんな風に育てた親とか……」

「八つ当たりじゃねぇかよ……」

「じゃあ適当にそこらへんの奴らを……」

「考えること放棄すんなよ……。本当に適当な奴だなお前……」

「はは…」

「ふぅ……」

「ふぅ……」

「なんか、ダルいな…」

「ああ…」

その2つの影は深夜の神社で不気味に揺れていたのだった

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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全く怖い話じゃなくて、笑えるほど面白くもないけど、なんかいい

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