短編2
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事故

僕は25歳の社会人で会社にはバイクで通勤していました。

仕事は長時間であり時間も不規則で仕事中に立ったまま目を閉じれば寝てしまうくらい疲れていました。

ある日、一日の仕事を終え帰宅中に気晴らしに帰り道を変えてみました。僕が住んでいる町は田舎でたんぼばっかりで、どの道を通っても同じですが毎日同じ繰り返しに嫌になり、その日に限り道を変えました。

暗い田舎道を70〜80キロで走っていると急に猫が飛び出してきて僕はそのまま転んでしまいました。

ぶっ飛んだ僕はスローモーションでバイクのエンジン音、タイヤが地面を擦る音、猫の引かれる音さえゆっくりに聞こえました。

ぶっ飛んだ僕はゆっくり地面に叩きつけられジワジワ痛くなる感じでした。

当たり前なんですが衝撃で目を閉じたんですが、目を開いた時に僕は寝転んでいて赤い曇り空が1番に目に入りました。

そこは事故した場所とは全然違う所で現実なのか夢なのか理解できませんでした。

事故して転倒した僕は無傷でその場にはバイクもありませんでした。

ただ引いたと思われる猫が目の前に居ました。その猫はいつも『ここへ』来ているような感じで落ち着いていました。

僕はその場所に安らぎなどは絶対に感じる事はできませんでした。そう感じたのは、暗く気持ち悪い。

夕方か夜くらいで空は赤く曇り空。近くに建物はなく永遠と荒れ地。息苦しさと悪臭。生温い風と響く声。

淋しい場所でした。一人で居ると気持ちが重くなるような場所。

死んだかとも思いました。

しばらくすると僕の携帯の着信音がすごく遠くで聞こえました。

すごく探しました。帰りたく必死でした。

微かに聞こえる着信音。このままここから出れないって思い込み諦めてました。一緒に居た猫に頭を撫でながら『引いちゃって、ごめんな。』っと謝りました。頭を撫でていると、しばらくして猫から着信音が微かに聞こえてきました。

僕の携帯を丸呑みしたのかと思い猫を見つめました。同じように猫も見つめ返し、その猫の目の中へ吸い込まれていく様に時間が止まりました。

気が付いたら僕は事故現場でした。身体は片腕以外動かなく、ポケットで携帯がなっていました。動く腕で携帯を取り出し電話に出ました。妻からの電話でした。その後は救急車を呼び、入院生活でした。

退院後に事故現場へ行きました。何もない普通の田舎道で猫もどうなったかわかりません。

ですが、夢とは違うあの感覚。あの場所。あれはどこだったんでしょうか?猫には助けられたですかね…?すごい力があると思いました。

長々とありがとうございました。誤字、脱字すみません。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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