短編2
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山童6

連れられた先に弟と母、祖母と大量のお坊さんがいました。

仏壇じゃないと思いますが何かきらびやかな仏像やら飾りやらがすごい物の前で弟と陰陽師っぽい人が向かい合ってお経を唱えられていました。

弟は何故か高そうな赤い座布団の上に座らされているのに陰陽師っぽい人は何も敷いていないのが、不思議に思いました。

「弟君はエンメインラ(聞き取れなかった)を見てしまったんでしょう。このままではとり殺されてしまいます。」

陰陽師っぽい人がお経を止め、言うと母も祖母も気が狂ったようにお願いします、お助け下さいと頭を下げて懇願しました。

何故だか弟がとり殺される事が信じ難くてボーっとしていると陰陽師っぽい人が私を見てとんでもない事を言いました。

「息子さんは生命力が弱い。ですが娘さんは生命力、霊力共に強いようです。ですので息子さんから娘さんに移しかえましょう。」

は?絶対嫌だよ!!バカじゃないの!!と私は叫びそうになりましたが、母、祖母も困惑したように、

「しかし娘は。娘はどうなるんですか?!息子と娘が助からなければ意味はありません!!」

私はちょっと泣きそうになった。

「大丈夫です。娘さんは見ていませんし、地蔵も見ております。」

え、と祖母が私を驚きの目で見て来ました。私は訳が分からずポカンとしていました。

「娘さん、地蔵は何体ありましたか?」

陰陽師っぽい人が私に尋ねてきたので、

「…七体、ですけど……」

そこでまた祖母は驚いた顔をしました。

「お聞きの通りです。娘さんはエンメインラの像を見ているのです。だからエンメインラもとり殺す事は容易ではないでしょう。」

陰陽師っぽい人は私を見てにこやかに宣言しやがった。

後から聞いた話ですが地蔵は6体だそうで。7体目は何とかやらの像と言われ巫女さんやら徳の高い人にしか見えないとか…。

私の数え違いの可能性の方が大きいと思うんですが…。

そんなこんなで私は弟と並べられお経を聞くはめになりました。

お経が終わると弟はぐったりとしていましたが寝ていたので多分私に何とか憑いたのかな…とか複雑な気持ちになっていると、

「とりあえずエンメインラは娘さんに憑きました。娘さんは今日一晩離れで一人になってもらいます。私達は一晩娘さんに経を捧げ、エンメインラを娘さんの体から追い出し、元の沼に返します。くれぐれも娘さんは部屋から出ないように。」

続く

怖い話投稿:ホラーテラー どぶネズミさん  

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