短編2
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山童7

私はお坊さんにおんぶされ、離れまで運ばれました。

おんぶされたのは何故か体が動かなくなってしまったので…。重かっただろうにお坊さんは笑顔で運んでくれました。恥ずかしい。

動かなかった体が離れに着くと不思議と少し軽くなって痺れはするものの、這って動けるようになりました。このときの感じはインフルエンザか高熱が出た時に似ていたと思います。

一晩、というのはとても長かったです。離れにはトイレもありましたが、元々それほど行くほうではありませんでしたし、それよりお腹が空いていたのが苦痛でした。

日がまだ高いことを恨めしく思いながら寝転んでいると障子(引き戸?)が鳴りました。

お坊さんが来たのかと起きあがると誰もいません。それどころか障子すら空いていませんでした。

私は気味が悪いのと空腹に耐えかねて寝てしまいました。

目が覚めるとすっかり日は落ちていました。

晩飯もらえないかなぁ…とお腹を鳴らしながら思っていると、

「お食事持って来ました。」

と声が聞こえ私は嬉しくて飛び起き這って障子の所に向かいました。這っているので時間がかかっていると、また、お食事持って来ましたーと言われ、私はちょっと気味が悪くなりました。そこでちょっとかけてみることにしました。

「ありがとうございますーすいませんが体が動かないんで中に入ってもらえますかぁー?」

「……お食事持って来ましたー。」

やはりそう言うだけで入って来ませんでした。私は恐ろしくなって布団に戻ると布団にくるまりました。

「お食事お持ちしましたーお食事お持ちしましたお食事お持ちしましたお食事お持ちしましたお食事お食事お食事お食事…」

と段々狂った様に繰り返すので私はどうしたらいいか分からずガタガタと震えていました。

しばらくすると声が止み、私は恐る恐る顔を出しました。

そしてすっかり暗くなった部屋が怖さを倍増させ、私は恐ろしくて恐ろしくて泣きそうになりました。その時、

「ちーちゃん」

母親の声がしました。私は一瞬ほっとして布団から出ようとしましたが、また恐ろしくなりました。

「ぉ、おかあさん…?」

「お坊さんがね、母親なら会いに行っていいって言ったの。ねぇ、ちーちゃん入れて。」

私は怖いもの好きでそういうものばかり読んでいたので、これは罠だと思いました。

続く

怖い話投稿:ホラーテラー どぶネズミさん  

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