短編2
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隣の部屋の怪音

ある夜、アパートの僕の住む部屋の右隣で何か物音が聞こえた

右隣に住んでいた老人は既にいなくなっていたので

僕は「おかしいな」と思った。

確かめたかったが、確かめる術がないので仕方なく放置、そのまま寝た

だがその音は次の日も、その次の日も続いた

大家に電話して聞こうかと思ったが、面倒なのでやはり放置

それから何日間は音がならなかった

そしてある日学校から帰ると改装工事の人と思われる人が、その音が鳴る右隣の部屋の前にしゃがんでいた。

僕はチャンスと思い聞いた

「この部屋深夜になんか音がするんですけど、工事か何かやってたんですか?」

「…………。」

その工事の作業員はドアを向いたまま、何も言わなかった

手すりを掴んだまま、時が止まったように静止しているのだ

「……じゃ、じゃあ、何かわかったら教えて下さい」

僕はその人が人と会話が嫌いなんだろう

と、思い深くはつっこまなかった

僕はその後そそくさと自分の部屋に入った

そしてテレビをつけ買ってきた弁当を食べる

三時間後ぐらいだろうか、少し喉が乾いた僕は下の自販機でジュースを買おうと外に出た

「……?!」

僕は驚いた。なにせさっきの作業員が、あのドアノブを掴んでしゃがんだままの体制で静止したままなのだ

「だいじょうぶ……ですか?」

僕はもしや体調が悪いのでは?と声をかける

「…………」

だが返事は無い

僕は少し気味が悪くなって立ち去ろうとした

すると……

ゆさっ

ん……?

その作業員の男の体が若干揺れる音が聞こえた

僕が振り返ると、体がゆさゆさと左右に揺れている

これたぶん「いいえ」という意味で「健康だよ」という意味なのか……?

なんとなくこじつけっぽいが

怖かった僕はそうだと思いこむ事にした

そして下の自販機まで降りようと階段に向かう

すると……

スタタタタ……

何か小さな子供が歩く音が後ろから聞こえた

僕が振り返る

バタン

その瞬間、ドアが閉まる音が聞こえた

どのドアが閉まったかは分からない

僕は「このアパート子供なんていたっけ?」と思ったが、気にせずジュースを買いに降りた

そして僕がコーラを買い戻る

だが作業員はさっきのままの体制で、あの僕の部屋の右隣の部屋ドアにつかまったままかたまっていた

僕は作業員を無視し、足早に自分の部屋に入ったのだった

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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