短編2
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建物2

私たちはその不思議な建物に見入ってしまいました。

外観は普通のアパートと同じなのですが、一階にはドアや窓は無く二階に上がる階段があるだけです。

そして二階に上がっても部屋は1つしかありませんでした。

しかし、しばらくその建物を見ていると気づいたことがありました。

それは窓と二階のドアがあまりに離れていることでした。

そうすると二階は1つの部屋でつながっていると思いました。

そして私がそんなことを考えている間にEくんは『見てばっかいないで早く入ろうぜ』と言って二階に上がっていました。

それに続いてKくんも続いて二階に上がって行きました。

Kくんは『止めようよ!怒られるよぉ』と言っていました。

しかしEくんは二階で『うるさいな!じゃあお前が入らなきゃいいだけじゃねぇか』と言っていました。

途中で気がついたのですがSくんは寮の方に夢中で全くこっちの建物には興味がないようでした。

そして二階からEくんが私たちを呼ぶ声が聞こえたので私は行くことにしました。

しかしSくんは『俺は入らねえ』と呟きました。

私はそのときのSくんの顔はそれ以後見たことがありませんでした。

仕方なく私は1人で二階に行くと、Eくんが『見ろよ鍵が開いてるぜ』と言いました。

そしてKくんは静かにEくんの掴んでいるドアを見ていました。

そしてゆっくりとドアを開けると、そこは真っ暗な闇でした。

そのときは昼でしたが、その建物の中は夜のように暗く全く中がみえませんでした。

しかし中は普通のアパートと同じ造りになっていてドアを開けると目の前には玄関がありました。

しかし誰も入ろうとはせず黙って、みんなその暗闇を見ていました。

続く

怖い話投稿:ホラーテラー Tさん  

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