短編2
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肩を叩いたのは…

はじめまして。拙い文章ですが投稿させて頂きます。

因みに実体験です。

私は高校は、今は市町村合併で同じ市になったが、当時は地元に隣接している市の高校に通っていました。

当時の悪友に、Kという男がいて、母親と祖母しかいない彼の家はたまり場になっていて、自販機で酒を買っては酒盛りして泊まっていく同級生が何人もいました。

ある日、私もKに誘われ、家族が寝静まった夜に家を抜け出して、自転車で彼の家に向かいました。

厳しい時代ですから、深夜徘徊で補導されてもつまらんと思い、隣のH市に入ってからは街中を避けて山沿いの道を走ったんです。

しばらくして、嫌な話を思い出しました。その山沿いの道に、作業者のおじさんが誤って転落して焼死した、ゴミ消却所跡があることを。

そして、近くの山の上には死体消却所があることを。

街中の道に出ようかと迷いましたが、パトロールしている警察に見つかるリスクを考えると、やはり山沿いの道を行くのが良いと思い、

「大丈夫、大丈夫」

と自分に言い聞かせて進みました。

問題のゴミ消却所跡に差し掛かり、全身に悪寒が走り、片隅に白い靄のような物が見えましたが、

「気のせい、気のせい」

と通り過ぎようとした時…

右肩を、

ポン!っと叩かれ、慌てて振り返ると…誰もいません。

その時は冬で、私は肩の部分が厚いジャケットを着ていたのですが、明らかに「手」で叩かれた感覚…なのに振り返ると誰もいないし、路上にも何も落ちていないから、上から落ちた何かが当たったわけでもない…。

一気にゾワッと鳥肌が立ち、

「うわあぁぁぁっ!」

と悲鳴を上げて爆走! すると、爆走した先には壮絶な顔をした猫の轢死体が!

あとはもう、Kの家まで必死に爆走。心臓が破裂しそうになっても、必死に爆走!

やっとKの家に着いて、顔面蒼白の私にKと他の同級生が、

「どうした!?」

と尋ねるので、先の体験を話したのですが、

「嘘つけ」

「勘違いだ」

と笑われただけでした…。

しかし、数日後の体育の授業中、私は右肩を亜脱臼したんですよね…。

右肩に「ビシッ」という鈍い音がした時、校庭にニヤリと笑うおじさんの姿が、霞みのかかったように見えました。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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