中編3
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残酷なる原点

今日人間の叡智は止まることなく発展している

この話は心霊は一切でない。古典であり実際にあった話である。出るのは恐ろしい原点。いや、本当に恐ろしいのは・・・

尚、現在手元に資料がないので記憶の引き出しから出す。その手の詳しい方、些細なミスは許して貰いたい。また痛いのが苦手な方はご注意を

金管楽器。トランペットやホルン・・・それは音楽に欠かせない楽器。優雅な息の音色。表彰台に登る時はトランペットに限る。しかし、金管楽器の原点を皆様はご存じだろうか

それが「黄金の雄牛」だ。それは太古の処刑に使われた拷問具だ。

遥か昔、ある国の王は退屈していた。この時代の処刑は王の為の余興にすぎない。しかし王は目の前で行われている処刑に飽き飽きしていた

ある日、王は一人の鍛冶職人に新しい処刑法を造らせた

職人が造ったのは真鍮で造られ全体に金のメッキが施された大きな雄牛だった

王は喜んだ「なんと美しく勇ましい雄牛だ。しかし姿が立派でも役に立たん。これをどう処刑に使うというのだ」

職人は高らかに言った。「これは最も美しく勇ましい残忍で不思議な処刑法でございます」

王は職人に説明を求めた

職人は誇らしげに語りだす「この雄牛は中身がのうございます。そして背には入り口があり雄牛の中に入れます。人一人は十分に入る大きさの腹を雄牛はもっています。中に人を入れ、入り口を閉じる。後は業火で雄牛を焼くだけでございます」

王は職人に怒る「職人よ、鉄の入れ物を焼いて何が素晴らしいか、業火に人をくべたほうがましではないか」

職人は嬉々と答える「王よ、この雄牛を鉄の入れ物と思いか。私には業火に人をくべる事ほどつまらぬものはありません。この雄牛確かに真鍮で出来ておりますが人を中に入れ業火で焼くと高らかに鳴くのでございます。それはまさしく牛の声。人の最後に相応しいレクイエムでございます」

王は職人の言葉に驚き、何この雄牛は鳴くのか、と興味を持った。王は側近を呼び寄せ耳打ちした

王は職人に近づき褒め称えた「職人よ、そなたには素晴らしい褒賞を与えよう。・・・しかしこの雄牛は人の最後に鳴くのか。確かに不思議だ。職人よ、何か仕掛けがあるのか」

職人はさすが王でございますなと頷いた。

王は「職人よ、教えてくれ。仕掛けを教えたら名誉を讃えよう」

職人は王の言葉に従い「仕掛けは雄牛の首にございます」と答え「人が中で焼かれますと雄牛の口からは焼かれた者の悲鳴などが牛の声に変わるのです」

王は職人に一度雄牛の中に入り叫んでくれ、私が本当に鳴くか口元で聞くからと命令した

職人はでは、と雄牛の中に入った。そのときだった。王の側近達が現れ雄牛の背を閉め職人を閉じ込めた

王は満面の笑みを浮かべ「職人よ、褒賞と名誉だ。火にかけよ」と叫ぶ

火が雄牛を包む。腹から金属をたたく音が聞こえるが王は気にしなかった。その時だった

もぉぅおぉうううぉう

それは紛れもない牛の声。王は職人の作品に感激した

さて、この牛が鳴く理由。実は牛の腹と口は一本の管でつながっており途中螺旋を描いている。それは金管楽器のホルンに瓜二つ。中で人が焼かれ始めると呼吸がし辛くなる。牛の喉以外空気が入らない。そうすると人は喉付近で呼吸をする。そうホルンを吹くが如く呼吸するのだ。その結果、黄金の雄牛は鳴くのだ。また中で叫ぼうが牛の喉を通ることにより叫び声は牛の鳴き声になってしまうのだ

金管楽器の原点・・・それは苦痛の叫び声かもしれない

この話は自分なりにアレンジしたものです

しかし黄金の雄牛なる処刑は実際にあった道具、最初に処刑されたのは制作者です

長文、乱文失礼しました

怖い話投稿:ホラーテラー いかれ帽子屋さん  

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