短編2
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深緑色の頭蓋骨

1980年代の頃の高校生の時、怖かった『授業』を書きます。

東北地方の県立高校で、一学年が8クラスあり全校生徒は千人を超えていました。

河川敷に体育会系の部専用練習場があった。

練習場の敷地面積は広大で、軟式硬式の野球・テニス、ソフトホール、ラグビー、サッカーの練習場は専用でありました。体育館も二つ、武道館もあった。

河原にはヨット部、ボート部専用のハーバーがあった。

高校生の保健体育の授業で丹〇先生(ボート部の顧問)が

『深緑色の頭蓋骨』を教室に桐に入れて、紫色の布に包み、教室に教材として持ち込みした。

箱から布に包まれた『深緑色の頭蓋骨『』を取り出し、クラスで回覧するように前例のHくんに渡した。

丹〇先生は、ボート部顧問の練習中に事故があり、捜索している時に頭蓋骨を発見し、警察に届けた。その後、鑑識の結果によると江戸時代かそれ以前の男性の頭部だった。何らかの理由で鋭い刃物で首が切断され、川に投げこまれて長い間川底にあったものだと説明があった。

警察からは『遺体』ではなく、『拾得物扱い』となり丹〇先生が引き取った。

丹〇先生は、いわくや怪しげなモノが大好きな怪人物で、寺に持ち込み供養になることは一切しなかった。

授業は丹〇先生の高揚は激しく、

「頭蓋骨は美しくて崇拝に値する。君たちにもよく観察して理解して欲しい。

顔の筋肉や皮膚に覆われている。先生も君たちも頭蓋骨を持っている喜びや感謝を感じてください。」丹〇先生は目をギラギラさせ、さわれない女子にマンツーマンで粘着的にしつこく触らせようとした。

教室は騒然となり途中から、丹〇先生は「わかってもらえず残念だ!」と途中で『頭蓋骨』を抱きかかえて教室から出て行った。

わたしのクラス以外は『頭蓋骨』を使った授業はされることはなかった。

地元に詳しい他の先生は『頭蓋骨』は飢饉の時に百姓一揆を起こして処罰されたか、あるいは昔にこの辺の山から金が一時期に採れる時期があり、中尊寺の金色堂にも使われた。

その時代は分配率で殺伐な事件が多くあった。と教えていただいた。

わたしは今でも『髑髏型』は洋服や小物類にしても生理的に怖いです。

丹〇先生は依願退職をして、そのまま消息明です。健在であって欲しいと思います。

怖い話投稿:ホラーテラー 菫さん  

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