中編3
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叫ぶ声-1

これは私が小学校2年生の時の話です。

細かい部分や覚えていない所は読みやすいよう変えてありますが、だいたいの話は記憶そのままに書いています。

男の子なら一度くらいはやっているかと思うんですが、その頃、私と友人(仮にAとします)の間で機械などを分解して遊ぶのが流行ってました。

分解といっても小学生なんでただ壊して遊んでいるようなものです。

壊れた時計や電話など、ゴミ捨て場から拾ってきてはドライバーやペンチなどで中の部品を取り出して「これカッコいいな」「これは使える」など小学生特有の意味不明な会話で盛り上がっていました。

ある日もいつものように学校帰り、Aくんと何か落ちてはいないかとゴミ捨て場巡りをしていました。

分解出来るような機械類が捨てられていることはそんなにあるわけでもなく、月に34回拾えれば良い方でした。

その日もこれといって収穫がなかったのですが、その月はひとつも収穫がなく、私もAくんもなかなか諦めきれませんでした。

するとAくんが「ちょっと山の方に行ってみないか」と言い出しました。

私が当時住んでいた所はすぐそばに大きな山があり、虫取りをしたり学校行事でも登山などをしていてわりと行き慣れた山でした。

私「山に行ってどうするんよ。」

Aくん「ほら、あそこに家あるしょ。あのボロい木の家。たしかその家の前にゴミ山あったわ。」

私「あー、あそこか。あったな。」

Aくんが言うボロい家というのはその山を少し登ると木の生い茂った林の中にポツンと立っているコテージのような家でした。

私「んー、今から行ったら暗くなるんじゃね?」

Aくん「チャリでいけば30分もかからねって。」

外は少し赤みがかっており、あと2時間も経てば暗くなる時間帯でしたが、私も最近収穫がないので不満もあり、往復で1時間かかっても1時間くらいは探す時間があるので、結局ふたりでその家のゴミ山に行くことにしました。

私たちは一度家に帰り、親に暗くなるまでには戻ると言い、自転車で山のふもとまで行きました。

そこで自転車からおりて、山道をのぼること15分。

その家は、山道から少しはずれており、山を登っていく人には見えるけどわざわざそこまでは行かないような半端な位置に建っていました。

私とAは山道の柵(柵といってもロープで区切っているだけ)を乗り越え、その家に向かって歩いていきました。

家の前までくると生い茂った林に日の光が遮られ、まだ太陽は沈んでいないのにうす暗くてなんだが不気味な感じがしました。

その家には実は以前にも友達数人と探検しにきたことがあり、中にも入りましたが、なんにもなくほんとうにただの空き小屋という感じだったので、あまり怖い所という雰囲気はありませんでした。

私「なんかちょっと肝だめしっぽいな」

Aくん「じゃあ今度ここに◯◯呼んで驚かそうぜ」

と私は少しテンションが下がっていましたが、Aくんは逆に好奇心いっぱいで冗談なんかを言っていました。

そして家の裏に回るとそこには小さなゴミの山がありました。

Aくん「おお、なんか掘り出し物がありそうな予感。」

私「思ってたよりいっぱいあるな。」

Aくん「俺そっち探すから、おまえあっちな。」

そう言ってAくんはさっさとゴミ漁りに向かいました。

私はすぐには向かわずそっと背後の家の中の様子を見ようと窓から覗きました。

中は以前と変わらずからっぽだったので、安心し私もゴミ漁りを開始しました。

ゴミ山はかなり風化していて、元がなんだかわからないゴミばかりでしたが、私の方では古いテレビやよくわからない機械類がありました。

しかし、小学生の私たちが運び出すには大き過ぎるものばかりでした。

するとAくんの方で何か見つけたらしく私を呼ぶ声が聞こえました。

私「なんか見つけたん?」

Aくん「ラジカセゲット』

Aくんが見つけたのは古いタイプの黒いラジカセでした。

予想よりも長くなってきたので一旦区切ります。前置きが長くてすいません。

先が気になる方は続きをどうぞ。

怖い話投稿:ホラーテラー 六さん  

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