短編2
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許されないけど…

昔、近所に住んでいた女の子と神社の階段でグリコして遊んでた時、女の子が一段飛ばすというズルをしたもんだから相手が女の子にも関わらず幼かった僕は取っ組み合いになり、バランスが崩れて女の子諸とも階段から転げ落ちた。

痛みに呻きながら目を開けると僕は女の子の上にいて。女の子の首が変な方向を向いてて、すごい血が出てて怖かった。けど僕は体が痛くて動けなかった。

次第に視界が狭くなり、次に気づいた時は病院で、両足の骨を折っていたらしく足が吊り上げられていた。頭は包帯ぐるぐる巻き。触ろうとしたところ、手術が終わったばかりだから触ってはダメだと止められた。少したつと頭がはっきりして女の子を思い出した。

女の子は即死だったらしい。

僕はとんでもなく罪悪感に襲われ途方にくれた。実際は僕も危篤状態で危なかったらしいがそれなら僕が死ねばよかったのにと本当に思い泣いた。両足が治るまではかなりかかるらしく、僕は絶望の病院生活を強いられた。

女の子の両親は本当にいい人達で、僕のお見舞いにも何回も来てくれた。

最初僕は罪悪感に押し潰され、女の子の両親に泣きながらごめんなさいごめんなさい僕が死ねばよかったのに、とわんわん泣きながら謝罪した。女の子の両親は暗い顔ながらも笑って、そんなこと言わないで○○君、××もきっと君を助ける為に下になったのよ、だから××の分もしっかり生きて、と言い僕はその言葉に本当に救われた。リハビリは辛く過酷なものだったが僕は女の子と女の子両親、の為に懸命にリハビリに耐えた。

やっと自分で少し歩けるようになった日、僕は神社の夢を見た。

あの日と同じ階段、あの日と同じグリコ。あの日と同じズル。あの日と同じ取っ組み合い―。

そこで僕はこのままじゃ、女の子が死んじゃう!と思い、バランスが崩れた時、女の子を突飛ばした。

女の子は倒れ、僕を見る。

僕はゆっくりと落ちていき女の子を見てよかった、助かって…と思い目を閉じようとした。

『ダメ…○○君…』

女の子が落ちていく僕に抱きついてきた。ダメだこれじゃまた一緒じゃないか、と僕がもがこうとするけど女の子は離れてくれない。

僕らはそのまま落ちた。あの日と同じように。だけど下敷きになった女の子は首が変な方向に向いてなかった。にっこり笑ってた。

そこで目が覚めた。僕は泣いていた。母も父も泣いていた。

僕は急に容態が急変し危篤状態に陥っていたのだと後から聞いた。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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