短編2
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戸棚

連続投稿になりますが、こっちは本当に怖い話。

うちの実家は、今はもうリフォームして、完全にレイアウトも雰囲気も

変わってしまいましたが、今でもその戸棚はリビングにあります。

前は、いかにもな昭和の建て売り住宅で、台所の端にその戸棚は置いてありました。

私は昔から、その戸棚の前に立つのが嫌でした。

どうして嫌だったのか、自分でもその理由が分かりませんでしたが、

「戸棚から食器を取って来て」、とか頼まれるとどうしてか尻込みしてしまっていました。

渋々戸棚の引き戸を開け、食器を持って何事も無く扉を閉めるといつもほっとしました。

ずっと理由が分かりませんでしたが、10年ほど前、何かの弾みで思い出してしまったのです。

小さい頃、私は夕方に一人で留守番をしていました。西日が赤く台所を照らしていました。

そんな日に一人で部屋にいるのは嫌でした。そういう時に限ってそれは出るからです。

気が付くと、戸棚の上の引き戸が開いていました。普段、大きめの皿を入れている、

30cm四方程の正方形の扉です。

そこには、白っぽく血の気の無い老人の顔が収まっていて、横目でこっちを見ながら

歯の無い口でニタニタと笑っていました。

思い出すだけで腰が抜けそうなトラウマです。しかし、最近人に話した所、「ご先祖様かも?」

と言われ、それならまあ怖くないかな?と思わないでもない、かもしれません。

しかし、もしご先祖様なら、もうちょっと子孫の気持ちも配慮してもらいたい所です。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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