中編4
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鬼食悪意

前作、心臓を書いた者です。

*この話は、キリスト教の聖書の中で「人間の先祖はアダムとイヴだ」を参考にして、創作しました。

閻魔大王の父、鬼食悪意。彼の誕生から始めたいと思います。

まずこの「鬼食悪意」、ひらがなで読むと「きしょくわるい」。そう、あの「気色悪遺」と言う言葉は、もともと鬼食悪意から来た言葉です。

「神」は、最初の人間アダムとイヴを誕生させた。そして善人だけではなく、悪人も必要だと思った神は最初の悪人「サタン」(鬼食悪意の正式名はサタンであった)と名づけた。

しかし彼はあまりにも悪さをしすぎて、神はサタンを地獄(も神によって作られていた)に落とした。

神は鬼たちにサタンを拷問しろと命令し、彼は苦しみを何年も味わうことになる。

しかし、彼は次第に魔力を得て、ある日鬼を食した。残った鬼を服従させ、初代地獄の大王となった。彼は神と同じぐらいの力を持ち、神は勝てないと思い、人間達に「自分たちで難を乗り切れ」と悟り、消えた。

サタンは今までの苦しみを仕返ししたかったが、神が去ったため、人間に八つ当たりをした。

そして彼が最初に人間に罰を与えたのが、あの「ノアの箱舟」である。彼は元々人間であるため、ノアの家族だけは残し、動物たちも助けた。しかし、自分と同じ悪人たちだけを、洪水で流したのである。

後にキリスト教の人達は「サタンがそんな事するはずがない」と言い、彼がノアの箱舟をやったのでなく、創設者の「神」に変えたのである。つまり、今現在教えられてる「ノアの箱舟は神が作った」は、うそなのである。

サタンは次第に地獄を地球と同じぐらいの大きさにし、鬼を増やせ、違う鬼たちを作り始めた。人間達が知る悪魔や、悪神は全部サタンが作ったものだった。

彼は何千年も生き、老いを感じ始めた。彼は人間界で死者の罪の裁いていたが、次第に死者を地獄に呼び、そこで裁きを下すようになる。

そしてある日、綺麗な女性が地獄へとやって来た。

「彼女の罪は?」

鬼:それが。。。彼女は悪さをしておりませぬ。彼女はある王国の姫で、みなから嫌われていました。彼女は農民の娘であり、王が彼女を気に入り王子と結婚させたのですが。。。それを不服と思う女性たちが彼女を穴に落とし、その穴が我ら鬼たちが通る「鬼穴」だった事をしらずに地獄へと。。。

サタン「そうか。。。姫よ、名はなんと言う?」

姫「。。。」

サタン「喋れないのか?」

「貴方は醜い。気色悪遺大王ですね。。。」

サタン「気色悪遺?どういう意味だ?」

姫「様子が悪いという意味です」

サタン「ははは。そうか。それもいいかもしれん。」それで彼は自分の名をサタンではなく、「鬼食悪意」と名づけた。

字は後に彼女から教わり;鬼食=最初に食った食べ物が鬼だから、そして悪意=最初に持った感情が悪意だったから、この文字にした。。。

鬼食悪意は彼女を気に入り、彼女を自分の妻にした。彼女は次第に心を開き、彼に好意を持つ。

気づくと彼女には子供ができた。

そして生まれたのが、あの閻魔大王である。

しかし、彼女は閻魔を生むと、死んでしまった。

鬼食悪意はあまりにも悲しみに、鬼を食らい、平和に暮らしていた人間に恐怖をもたらした。

それがあの「バベルの塔」である。人間達の言葉は一つであったが、鬼食悪意により、人達は混乱し、世界各地へと散った。

彼は幼い子を育てることはできなかった。毎日のように泣く閻魔にイライラし、ついに閻魔の舌を抜いてしまった。もちろん人間だったら死ぬが、閻魔魔人と人間の血を分けたので、死にはしなかった。

鬼たちは閻魔を助け、自分たちが育てようと話した。

それから何百年が経ち、鬼食悪意はついに倒れた。

彼は閻魔を呼び、こう言った

「閻魔よ、すまない事をした。。。我輩はあまりにもお前の母を愛していた。。。辛かったのだ。。。彼女が亡くなって。。。。。。。」

「父よ、母が亡くなっても、我輩がいます。貴方の子であります。母の事は知りません、しかし、何百年も一緒にいてくれた父の事はしっかりと覚えています。安心してください、我輩は舌を抜かれても、父を憎いと思ったことはありません。」

「あぁ、我が息子よ。。。我輩は。。。我輩は望んでいた。。。事が。。。あった。。。」

「何をです?言ってください。」

しかし鬼食悪意は返事をしなかった。彼は誕生した時から、悪人とされ、地獄に落とされ、妻を亡くし、悲しい人生を送った。彼が望んでいたのはなんだったのか。。。もしかしたら、普通の人間として生まれ、自分の妻と結婚し、人生を送りたかったかもしれません。。。

閻魔は父を母と同じ墓に埋め、父がやっていた、死者の罪の裁きをやり始めた。。。

彼らは悪ではないのです。。。人間と変わらないのです。。。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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