中編3
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ある日の夢の話

山もオチも無いです。

夢の話。

私は真っ白な霧の中にいて1メートル先はもう見えなかった。

足元には茶色い縄の端が落ちていた。

手にとると、それは毛がはえていて尻尾のようだった。

尻尾はとても長そうで、私はそれを手繰りながら歩いていった。

どれだけ歩いても細い尻尾は長くて本体に辿り着かない。

歩きながらふと、これは猿の尻尾だなぁと思った。

もう何時間経ったのか、まだ私は尻尾を手繰ってさまよっていた。

ふと絶望感と共に、この尻尾に身体なんて無いのかなと思った。

翌日の夢。

高校時代のS子が夢に出てきた。

情緒不安定で自分が解らない、流されやすい子だった。

夢のS子はろくろ首みたいに足が長くて足元が見えなかった。

『足が見えなくてなんの靴履いてるかもわかんないや』

彼女は悲しそうに言っていた。

『しゃがんだら見えるかもよ?』

と言ってみたがS子は泣きながら首を横にふった。

次の瞬間にはS子はケラケラ笑いだして

『いいや!見えないならもういいや!足切っちゃお~。』

切り終えても探してもS子の切った足は見つからなかった。

『やっぱり私に足なんて無かったのかもね。』

そう言ってS子はぶつ切りになった膝くらいの足で歩きながら去っていった。

翌日の夢。

真っ暗闇の中で悪魔の声がした。

『今からお前の夢に出てくる人間を全て殺さなければお前がそいつに殺されるだろう。』

急に視界が晴れて地元駅のエレベーター前に私はいた。

エレベーターからはベビーカーに赤ちゃんを乗せた若い女性が降りてきた。

殺さなきゃ殺さなきゃ殺さなきゃ。

私の手には包丁があった。

女性は驚いていた。

私は赤ちゃんに包丁を突き立てた。

みるみる間に女性は鬼の形相になり

『お前を殺す。』

と言って走り去った。

まずい逃げなければ。

私はロータリーに走っていった。

そこには母の車があった。

後部座席に乗ると母が

『逃げるわよ!鍵ちゃんとしめといて!』

外国の高速みたいに何車線もある所を走っていた。

扉は半ドアで鍵がかからない。

後ろを見るとさっきの女性がたくさんの黒い男をつれて走って追ってきていた。

走っているのにもう追い付きそうだった。

走りながらドアを開けてもう一度閉める。

焦ってなかなか閉まらず半ドアのままだ。

何度も続けているといつの間に追い付いたのか女性が扉を無理矢理あけた。

私が赤ちゃんに刺した包丁で私は腹を切り裂かれた。

遠くで母の悲鳴が聞こえた。

ある日の不思議な夢

夢の中で知らない田舎の道にいた。

すぐそこのお稲荷さんではお祭りなのか、お囃子が聞こえてきた。

少し先の田舎によくあるなんでも売っている雑貨屋に立ち寄り、店のおばさんと立ち話をした。

すると店に茶色い犬が入ってきた。

看板犬かと思って頭をなぜてやる。

『可愛いわんちゃんですね』

私の言葉におばさんは首を傾げた。

すると犬が突然

『頭をなぜるな!』

と怒った。

びっくりしてまじまじと見ると狐だと気付いた。

『失礼なやつだ。』

と狐が怒るので丁重に謝った。

どうやら機嫌を直した狐は色々話してくれた。

凄く面白い話で楽しい時間だった。

『じゃあな』

と狐が去った途端に目が覚めた。

怖い話投稿:ホラーテラー リコピンさん  

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