短編2
  • 表示切替
  • 使い方

残留思念

元業担です。今回は、よくある話です。

私は憂鬱な気持ちで、ある部屋の前にいた。

今回は、常駐からの依頼で、ある女性従業員のAが、隣の部屋の住人B(同じく女性従業員)が、毎日狂ったように壁を叩く。静かにしていても…怖いから、話してみて欲しいとの依頼だった。

最後に依頼してきた常駐が、

「気をつけてね、彼女(B)、精神を病んでるみたいだから…」

と言った…。

腹を括って、呼び鈴を鳴らす。

しばらく後、

「はい…」

と低い声。

「すいません、○○の業務担当です」

と言うと、ドアが開いてBが顔を出した。

正直、ゾッとした。

色黒の顔に、刺すような目…まるで蛇だ。全身の毛が逆立つ。

「すいません、実は常駐の方からですね…」

と来訪した理由を伝えて、真偽を尋ねた。

Bは、

「いえ、そんなことしてません」

と言う。

あまり刺激したくない、本能が警告していたので、「分かりました、そんな話を聞いたんで確認したかっただけです」と言って、帰った。

常駐に報告すると、Aさんが出勤してきたので、経過を報告する。

「嘘ですよ!毎日毎日、凄いんですよ!」

Aは怯えている。

とりあえず、話はしたからしばらく様子を見よう、ということにした。

Aは、かなり心配していたが。

しかし、この問題は3日後にアッサリ解決した。

先輩のYから、Bが退職して地元に帰ったと言ってきたからだ。

「悪いけど、彼女の部屋に従業員証と保険証があるはずだから、回収してきてよ」

とYは暢気に言う。

仕方ない、行ってくるか…私は再び、彼女の部屋に行った。

マスターキーで、鍵を開けて部屋に入る。

同時に、ゾッと寒気がして息苦しさを感じた。

これは、霊の気配じゃない。殺気だ。

部屋の中は、殺気に満ちていた。

Bはもういないのに…。

ドアポストにあった鍵を回収、早く逃げたいが従業員証と保険証が無い。

部屋に入ると、テレビの横に置いてあった。

回収完了!

ふと、壁を見た。

ん? 何か変色してる…黒っぽいな…。

気づいた瞬間、吐き気がした。

それは、明らかに血の跡だった。

Aが言ってたことは真実だった。

Bは、毎日毎日、手から血が出るほどに壁を叩いていたんだ…。

慌てて部屋を飛び出して帰った。

またもや未解決だが、Bが何故壁を叩いていたかは分からない。

単に病んでいたから?

それとも…?

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

Concrete 59189e6fb4d79119a63e92183ffb92aeb8f46031afd97d5db060811ce15c35e6
閲覧数コメント怖い
13900
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ