短編1
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自分の中の闇4

そのまま私は小学校に上がった。

その頃には、母と目を合わすだけで殴られ 私に許されるのは

『はい』

と返事する事だけで、会話なんて許されなかった。

朝ごはんは自分で用意し、(納豆だけと決まっていた)学校へ行く。

3パックだけの納豆を一週間もたせなくてはならないので、少しずつ食べなくてはならない。

学校から帰ると 母から言い付けられた家の事を済ませ、あとはひたすら台所で正座をしていた。

そして8時になると、押し入れの中にひいた布団に入り寝る。

当然夕ごはんなんてなかった。

七歳になった私はガリガリで、他の子供達に比べずっと小さかった。

担任の先生が 二度程私の家に来た事があったが、『家の事に口出しするな』と追い返されていた。

今では考えられないが、『しつけ』の一言で済んでしまう時代だったのだ。

ある日母の飲み仲間が、祭の出店で売っていたヒヨコを私にくれた。

すごく嬉しくて、ありがとうと何度も言ったのを覚えている。

ヒヨコはとっても可愛くて、私は久しぶりに笑った。本当に久しぶりに…。

その夜いつものように私を散々殴った後、母は私の手からヒヨコを奪い…水をはった洗濯機に投げ入れ、そして私の目の前でスイッチを押した。

信じられなかった。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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