短編1
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自分の中の闇5

倒れたまま私は、それを呆然と見ていた。

ヒヨコの声はもう聞こえない。

母が『どうせお前には育てられねぇんだよ!』と言いながら 楽しそうに笑っていた。

『わあぁぁぁー!!』

と叫びながら洗濯機に駆け寄り、回っている水の中に手を入れ、私はヒヨコを取り出す。

グッタリとしたヒヨコはぴくりとも動かない。

さっきまで私の手の中で、暖かいぬくもりをくれた あのヒヨコは もういない。

ガタガタと震えている私に母が、

『お前が喰ってやれば?』

と酒臭い息を吹きかけながら言い、ニヤニヤしながら寝室へ戻って行った。

私は初めて母を心から憎んだ。

死んでほしいと願った。

その日は、悔しくて悲しくて 眠る事はできなかった。

何故母は、私を連れてきたのか。

少しでも私を、愛してくれていたからじゃなかったの?

なんでこんなに酷い事をするのか わからなかった。

しかし その疑問は、小学三年生の時に明らかになったのである。

トイレに起きた私は、飲み仲間が母に

『なんで子供なんて引き取ったの?遊びにくくない?』

と言う言葉に足を止めた。母は

『子供がいなかったら、金入らないじゃん』

と笑った。

ハハ……金か…。そうだったのか。あたしがいると、お金がもらえるのか…。

小3の終わりの頃、私は初めての自殺未遂をした。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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