短編2
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自分の中の闇6

ただ単純に、私が死んだら もう金が入らないだろうと思って手首を切った。

ざまあみろ、という気持ちだった。

しかし所詮子供。手首を切れば死ぬものだと思っていたが、大きな血管には届かず 30分程で完全に血は止まってしまい、死ぬ事なんてできなかった。

『この傷が見つかったら 怒られるかも…』とビクビクしていたが、母はそれさえも気づく事はなかった。

それからは毎晩布団に入ってから、母を殺す計画を立てた。

どうやったらばれずに殺せるのか、包丁で一刺しで殺せるのか。

殴られれば殴られるほど、夜布団に入るのが楽しみになった。

今考えると、本当に恐ろしい…。

10才にも満たない子供が親を殺したいと思い、計画まで立てているのだから。

でも その頃の私は、頭の中で 夢の中で、数え切れないくらい母親を殺していた。

そうしてどうにか、精神を保っていたのだと思う。

ある日突然、母親が知らない男の人を連れてきて

『新しいお父さんだ』

と言った。母のお腹には すでに新しい命が宿っていた。

父となった人は優しい人だった。

最初の頃は隠れて虐待していた母も、慣れると父の前でも私を殴り蹴るようになった。

父が私を庇ったり、殴るのをやめさせようとすると、今度は父にくってかかり ひどいケンカになってしまう。

そんな事が何度もあった。

母が外に飲みに行き、父と二人きりになった時 私は

『もう庇ってくれなくていいよ。お父さんまで悪く言われて可哀相だから…』

と言った。

父は『ゴメンな…。でも〇〇が悪くないのはわかってるからな』

と言ってくれた。

それからの父は庇ってくれはしなかったが、決して母に加勢するような事はしなかったし 手をあげる事もなかった。

私はそれだけで嬉しかったし、気が楽だった。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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