短編2
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自殺した霊

バイト先での話。

私がバイトしていたのは個人経営の小さな飲食店。

その店の店主いわく、自分と同じように個人経営していた店を潰してしまい自殺した霊に取り憑かれているらしい。

店主が店の経営で行き詰まり、悩んだりしていると、

「どんなに考えても無駄だ。」

「死んだら楽になるぞ。」

など、気が滅入るような事を言ってくる。

その日も、どんなに努力しても売上が伸びず、資金も底を尽き始め途方に暮れているとあの声が聞こえてきた。

霊:「ほらみてみろ。それだけ努力してそのざまだ。悩み、苦しむより死ぬ方がずっと楽だ。早く楽になってしまえ。」

始めの頃は正体の見えない声に怯えていたが、その時はどうすれば店を軌道に乗せられるかで頭がいっぱいで、恐怖感はなかったそうだ。

霊:「どうせお前の努力や思いを理解する奴なんかいやしない。」

店主:「………」

霊:「お前人生無駄だったんだよ。」

店主:「………」

霊:「もう楽になれ。早くこっちにこい。」

ここで店主の勘忍袋の緒が切れた。

店主:「さっきから黙って聞いてりゃ、ぐちぐち情けない事ばっかり言いやがって!!!!

そんなんだからお前の店は潰れんだよっ!!!

もういいっ!

お前、俺に憑くなら好きなだけ憑いてろっ!!!

俺がこの店成功させて、ついでにお前を成仏させてやるっ!!

ただし、ただくっついてぐちゃぐちゃ言うだけじゃなくて、お前も手伝えっ!!!

分かったかっ!!!!!」

霊:「…………」

それ以来、憑いてはいるが、声は聞こえなくなったそうだ。

あと、売上が悪い日が続き、そんなとき店主が

「おいっ!黙ってみてないでお前も手伝えっ!!」

と言うと、売上が上向きになるらしい。

今でもその店は、この不況の荒波をなんとか乗り越えているそうな。

END

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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