短編2
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続・自動販売機3

やっぱり友を見捨てる事は出来ずに捜す事を選択。(今想うと俺はかなり薄情な奴だ)

考えた末に出した答えは俺が隠れて努を待ち伏せする事にした。うまく合流して二人で一緒に家に帰る…今想うと決して良い案ではないが、その時はその作戦しか頭に浮かばず、決行した。

少し走ると小さな公園があった。ブランコ、滑り台、ジャングルジム、そして大きな壁があった。その大きな壁が目に入り、ピンときた。壁の裏側に身を潜めることを思いついた。

そしてすぐにダウンのポケットから携帯を取り出し努にメール。

『小さい公園を見つけたら、大きな壁の裏にこい』

多分走ってる事を考えれば短めの文章が最適と思い、送信。

凍える寒さの中、大きな壁の裏でジッと待つ俺。

1分経過、2分、5分、10分……返信がない。捕まったのか?と、だんだん焦る俺。その時遠くの方から足音が聞こえてきた。

努だ!間違いない!

確認もせずに俺は嬉しさのあまり壁の裏からから出た!

そして大声で、

「つと……」

……見ると努は二人のババアに挟まれるように歩いていた…

捕まった努……

俺を見たババアは見つけるなり一人追っかけてきた。距離にして20M位。

俺は走り出そうとすると努はチャンスと思ったのか、その隙に手をふりほどき逆側に走り始めた。ババアが追っかける。

待ち伏せ作戦は失敗だ。が、二人共逃げる事は出来た。

努の無事を祈りつつ、俺は家を目指す事にした。

捕まるものか!という思いで走りまくった。全速全身全霊で。

角を曲がる度に「鉢合わせ」になったら…なんて考えもあったがそれだけは何とか免れた。あとは直線勝負。後ろからは相変わらず、

「わ~た~しの……か~ま~い~た~ち~」なんて叫んでる。

本当勘弁してくれだった。もう気力だけで頑張って走っていると徐々にババアの姿は小さくなり、500M位走るとババアはついに追うのを諦めた…

やった!!

その後も万が一を考え手を抜く事もなく、全速全身…で走り続けた。

やっと家に着くと台所に行き水を一杯のみ、努の携帯にかけた。…が、出ない。

その時玄関の開く音がした。恐る恐る行くと……努だった!

抱き合う俺達。

生きてる喜びに感謝する俺達。

かまいたち狩りから解放され、30手前の野郎二人が玄関で肌を触れ合う。

が、何か臭いがする。努が…脱糞していた。

すぐに俺は努を引き離した

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名で★さん  

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