中編3
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サンタさん

ホラーじゃないです

幽霊とかも全くでてこないし

ただの愚痴になってるかもしれません

それでもいい人は読んで下さい

10年前のクリスマス

私の父はガンで死にました

当時小学校1年生だった私は父の死と言うものをよく理解できませんでした

「死んじゃった」と言うことはわかったんですが

もう二度と会えなくなったと言うことの重さを理解していませんでした

しかし父の闘病生活中

家の中の空気や母の弱った姿.絶対泣かなかった兄の泣いている姿を見て

幼心に絶望を感じました

母に笑って欲しくて

元気になってほしくて

私はたくさんの嘘をつきました

面白おかしく話をし

明るくふるまって

でも母の笑顔は私が待っていた笑顔ではありませんでした

家の中はまっくらで

今思い出しても吐き気がしてきます

そんな辛く苦しい私達をよそに

世間はクリスマス一色

町はキラキラのイルミネーションに包まれ

同じ年の子供達は幸せそうに両親と手をつなぎ

プレゼントをもらう

私は世間と自分達家族のあまりの違いに

すべてを呪いました

クリスマスソングもイルミネーションもサンタさんもプレゼントを自慢する友達も

全部

母はクリスマスに夫を亡くしたショックからか

その年から私達にクリスマスプレゼントを絶対に渡しませんでした

毎年みんながプレゼントを楽しみにして胸をドキドキウキウキしていた時も

私はいつも泣きながらすごしていました

プレゼントが欲しかったわけじゃなかった

クリスマスがくると父が死んだあの日に戻ってしまうような気がして怖かった

みんなが笑って起きる日が大嫌いだった

でもそんなある年のクリスマス

さすがに私ももうクリスマスに対しての思いも薄くなってきて

普通に布団に入り

眠りにつきました

そして朝起きると

ずっとずっと憧れ.待っていた光景が広がっていました

枕の横に小さいけれど

ちゃんと包装紙で包まれ飾りのついている

プレゼントがおいてありました

中にはペンダントが入っていました

驚いて隣の部屋で寝ている母にプレゼントありがとうと飛び付きました

しかし母は不思議そうな顔をしてプレゼントなんておいてないと言いました

私も最初は母が置いたのに私を驚かせようとして

言っているのだと思いました

そして何ヵ月かたった時

上京していた兄が家に帰ってきて

自分の枕元にも

私と同じペンダントのプレゼントがおいてあったと言うのです

もし母が私達にプレゼントをくれたのであれば

さすがに何時間もかかる兄のところまでプレゼントをおきに行くのは手がこみすぎています

17歳にもなって

こんなこというのも

気持ち悪いしばかげてるんですが

私はサンタさんだったんじゃないかな?とひそかに思っています

でもサンタさんと言っても

私の父が自分達の子供のために天国から送ってくれた

最初で最後のクリスマスプレゼントだったのだと

私は思っています

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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