短編2
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床の間 ②

続きです。

ママンは続けた

マ『着いて早々、ギョギョギョ~、花萎れてるし~wwって』

詳しく聞けば、飾られてた花達はかなり萎れた状態だったらしい。

水分0%の茶色のカサカサというより、急激に現在進行形で枯れ続けてるって状態だそうだ。

つーか、常識ある真っ当な宿泊施設ならばあり得ん事態。

予約してた客に対し、部屋に萎れた花を飾ってるなんて、クレームして下さいって言ってるようなもんじゃねーか。

マ『でな?【床の間】の壁…壁っていうか、なんていうんかなぁ~?【床の間】のスペースだけ真っ黒やねん』

俺『汚れてたんか?』

マ『いんや~、普通よ。部屋も暗いんやけど、特別暗いんよな~』

俺『…光の当たり具合ちゃうん?』

マ『【床の間】のな、天井から床まで全体が何か暗ぁて、まぁ真っ黒な壁に見えたわ~』

俺『…』

俺は少し想像してみる…。

宿泊先のホテルで、

案内された部屋は、室内全体が薄暗く…

花瓶に飾ってる花は萎れ…

【床の間】を真っ黒な影が埋め尽くしてる様を…

そんな部屋に通されたら…

俺なら\(^p^)/ってなる。

俺『…完全にアウトやろ』

マ『そうかなぁ~?、別に怖ないし』

尋常じゃない鈍さだ…。

マ『そいに誰も何も言わへんし。あぁ~やっぱりママの気のせいやね~って思てん』

俺『…思うなよ』

とりあえず…

下にママンの記憶を頼りに、当時の部屋の間取りを再現してみた。

     ↓床の間

|=| ̄ ̄∥■■ ̄| ̄|

|玄   ∥     |

|関   襖     |

| ̄   ∥     |

|   ∥     |

|洗面 ∥     |

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄窓 ̄窓 ̄

こんなんらしい。

3人で寝るには充分なスペース。

部屋も結構広くて、窓も割と大きく、快適と言えば快適な和室らしい。

俺『ほんで、どないしたん?』

と、真剣に聞いたが…、

マ『花枯れてるくらい、何てこたぁないわな♪』

と、サラリと流したんだそうだ。

そして、荷物を置いたら、そのまま部屋を後にして、他の先生方と合流し食事をしたそうだ。

素人目にもハッキリと判るくらい、明らかに部屋全体が異常な雰囲気を醸し出してるにも関わらず、クレーム1つしないまま部屋に泊まったママン御一行に…

俺は少しヒーロー的な強さを感じた。

マ『せやけどな~?、その日の晩が、もう大変やったんわぁ~』

俺『…でしょうな』

まだまだ続きます。

怖い話投稿:ホラーテラー 黒ナギさん  

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