短編2
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非常識?

私は結構、すぐカッ!となる性格。

私に非があるのが明確なら、すぐに素直に謝るが、理不尽なことや卑怯なことにはすぐにカチン!とくる。

我慢に我慢を重ねて、とうとうブチ切れても喧嘩にならない。

相手が涙目でビビるから。

「本当に殺されるかと思った」

と相手は言うのだが、殺意なんか無い。

失礼な…。

まあビビらなかった相手がどうなったか…なんて言わない。

結局、本当に強い人や大物は泰然自若としているもの。

口だけ達者な人って、案外そんなものかも知れない。

そんな私が、一度だけ幽霊にブチ切れたことがある。

その日は、北枕で寝ていた。

夜中に目が覚めたら、金縛りになっていた。

生まれて初めての金縛り。

あ~本当に動かないわ…と思っていたら、頭の方から嫌~な気配が。

ニヤニヤ笑う、男の幽霊。

嫌な顔だ…と思いつつ、

何したいんだコイツ?

とも思っていた。

そいつは、いやらしくジワジワ迫って来る。

…だんだん、腹立ってきた。

人を動けないようにして、何調子こいてんだコイツ…。

そいつが、とんでもなく卑怯者に思えてきた。

そして、男の幽霊が私の枕元まで来て、首に手をかけてきた時に、遂にブチ切れた。

「人が動けんのをいいことになんだオラあっ!」

と叫ぶと同時に金縛りは解け、男の幽霊は、

「ひいぃぃぃっ!」

と悲鳴をあげて消えた。

立ち上がった私は、しばらく「どこ行ったコラあっ!」と怒鳴りながら男の幽霊を探したが、そいつは二度と出てこなかった。

それ以来、金縛りに遭ったことは無い。

怖い話投稿:ホラーテラー 元業担さん  

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