中編3
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ずっと一緒

 

この話はまた、最近起こったことだ。

最近、俺は夢に悩まされていた。今回はその話じゃないんだが、それを相談した女友達が体験した話だ。

俺と、その女性(以後、Tと表記する)が出会ったのはバイト先だった。

大手ファミレスチェーン店のアルバイトで知り合って以後、よく話をするようになり、アルバイトをやめてもメールしたり、会ったりを繰り返している。

それからの付き合いなのだが、俺の友達には言いにくいことをたまに彼女に相談することがある。

それが、彼女の話を聞いた時は俺の夢の話を相談することになっていた。

また、その夢も厄介な物なのだが、今回は彼女の話をすることにしよう。

話によると、Tはその時、大学で図書室で調べ物をしているときとある古い新聞記事を見つけたらしい。

それはまた、異様なほどにボロボロだったそうだが、内容は何とか読み取れる程度でゆっくり呼んでいくと、交通事故の記事だったそうだ。

内容は交通事故でTの通っている大学の女子生徒が死んだとのことだった。

気味が悪くなったTはそれをゴミ箱に捨てようとゴミ箱が置いてある教室まで、階段で降りている最中、ふと階段を曲がる時に、後ろに人の足をみたそうだ。

後ろを振り向く。

誰も居ない。

また歩き出す。

次は上の階段だった。

駆け上がる音。上を見る。

音もしなければそんな気配ももうなくなっていた。

Tは本格的に恐ろしくなってすぐに教室に行ってその切り取りの新聞を捨てようとポケットに手をつっこんだ。

その瞬間。

後ろに明らかに気配を感じ、かがんだまま、自分の足の後ろを見る。

人の足が見えるのだ。

しかも、その足の細さや形、靴などからして、先ほど階段で見た人と類似している。

Tは焦って、どうしたらいいか一瞬迷った結果、後ろを振り向いたらしい。

そこには、新聞で乗っていた女性と同じ顔の女性が立っていた。

ただ。

ただ、その人はキーホルダーを手に持っていたらしい。

そのキーホルダーを無言でTに差し出してきたというのだ。

Tは恐る恐るそのキーホルダーを手に取った。

それは毛糸のぬいぐるみのような小さく、可愛らしいキーホルダーだったらしい。

そして、そのキーホルダーから。

「ずっと一緒」

と子供のような声で囁かれたそうだ。

はっとして前を見ると女性も居なくなっていて、キーホルダーを持っていたはずの手には切り取りの新聞紙が乗っていたとのことだった。

その女性が一体、どうしたのか。

キーホルダーがなんなのか。

未だに分からないままだったが、図書室の先生に尋ねたところ、「いつも図書館で本を読んでいたわ。そういえば、ケータイにキーホルダーをつけていたわね。毛糸のやつ。」との事だった。

そのことがあってから、五日後、俺に相談してくれたのだが、「たまに階段を上り下りしたりしている。」とのことだった。

Tとその人に何かつながりがある訳ではなかったらしい。

ただ、Tが何を思ったのか、「バカみたいだよね。たったそれだけなのに、この世の中にいようなんて。」と発言したのには何かあったんじゃないだろうかと悩んだりした。

そのせいで悩みが増えたのは言うまでもない。

 

怖い話投稿:ホラーテラー 零番さん  

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