短編2
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ヒトガタ

今も不思議に思うから一応書いてみる。

もう10年も前になるが、我が家で友達三人と

ビデオ大会をしていた時のこと。

鳥すきをつつき酒を飲み、持ち寄った古い時代劇をじっくり鑑賞し

楽しんでいていた。

さて、夜も二時を回った頃、

ふとTVを見ている応接間と食堂の間にある出入り口が気になった。

それはドアでも引き戸でもない、

アコーディオンカーテンで仕切られる半間幅のもので、

その時カーテンは開けられていた。

最初は気のせいかと思いビデオに集中した。

でも暫らくするとやはり気になるんだ・・・。

そのうち脳裏になぜかあるイメージが結ばれ始めた。

ヒトガタ。

それも全く虚無的な空洞みたいなヒトガタ。

近いもので例えるなら公衆便所の男子マーク。

このヒトガタの穴みたいな存在がずっとその出入口に立っているのだ。

ただ単にこちらをむいているだけだが妙に怖い。

とはいえイメージだけで本当に見えるわけではないので気のせいにも思えるし、

もし友達に話して怖がらせてはせっかくのビデオが無駄になる。

やっぱり気のせいなんだと自分に言い聞かせ黙っていた。

ヒトガタは最後までそこにいたけど、やがてビデオも観つくしみんな寝室に引き取った。

翌朝。

昼近くに起きた我々は食堂で遅い朝食をとった。

よく晴れていて差し込む日差しも明るい。

応接間との境の出入り口にも昨夜の不気味なイメージは見つからない。

安心した自分は友達に昨夜のことを思い切って言うことにした。

「あのさ、実はさ、昨日の晩そこの入り口のとこに・・・」

次の瞬間間発入れず友達の一人がいった。

「ヒトガタ!!ヒトガタでしょ!?トイレのマークみたいな!!」

思わずそこにいた全員が声を上げて机の下にもぐったよ。

結局ヒトガタの正体はわからなかったけど、

それから一週間後に同居していた祖母が

風邪をこじらせあっけなく逝ってしまった。

自分はその場に居合わせなかったけど、

運ばれた病院で短い間看病した母によると、

こん睡状態になった祖母は

空を手で払いのけるようにしながら

「こわい・・・人がいる、なんだか人がいっぱいいる」

と言ったそうだ。

関係ないかもしれないけど、このことも一応書いておく。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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