短編2
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バイト先に時々訪れる猫、どうやら隣のアパートでこっそり飼われているらしい

私はその猫が憎くて仕方なかった、店で出たゴミはすべて枠の付いた台車に乗せ、駐車場の隅に置いておくのだが、カバーをかいくぐり生ゴミを散らかすのがその原因で毎度毎度その片付けをさせられる度に苛立ち、殺意さえも覚え…最も、私自身の動物嫌いが一番の原因かと思いますが

とにかく、今すぐにでも殺してしまいたい程にカンに触る存在なのです

ある日、駐車場の掃除をしていた時の事

件の猫が店の前で昼寝をしていた、私はゆっくりと近付き箒を使いその猫を叩く。すると、猫は驚き素早く逃げ出したが、カバーを潜り台車の中へと逃げ込むのが見えた

しめたと思いました、カバーを上手く使えばその猫を逃がすことなく、また人目に付くことも無く、殺す事も出来ると思ったので

台車へ近付き、静かにカバーを捲り上げました

しかし其処に居たのは、和服姿のお婆さん

上品そうに結われた頭が印象的なその人が凡そ似付かわしくないゴミ捨て場に正座して居た

顔は俯いていて見えなかったけれども

私自身驚いて動けなくなっているその間、そのお婆さんが細かく前後に揺れ始めた

揺れ方が尋常で無く、お婆さん自体が動いていると言うより、例えるならスクリーンを台座ごと揺らしているような感覚で

私は怖くなり、台車から離れました。手から離れたカバーが落ちるとカバーが頭の形に押されビニール製のそれに白くひびが入る頃、足元を猫が逃げていくのが分かりましたが私は動く事が出来ずに居ました

猫が居なくなる頃、ゆっくりと頭が引っ込んでいくのを確認し私は店へ逃げ込みました。その後、バイトの子がゴミを捨てに行きましたが変わった様子は無く、おそらくあのお婆さんはもう居なかったのでしょう

その後あの猫を殺そうとする度にあの婆さんが現れます

未だに顔を見たことがありません

おそらく生きた存在では無いのでしょうね。あの猫の守護霊なのでしょうか?

はじめの頃こそソイツが怖くて近付けなくなった頃もありましたが、次こそかならずあの害獣を殺しましょう。

怖い話投稿:ホラーテラー 動物嫌いさん  

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