短編2
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肉塊

続いて、踏切の話。

場所によっては存在すると思うが、田舎の赤字私鉄の踏切で、信号機がある踏切がある。

別に、複雑な道でもない。

県道と私鉄の線路が交差しているだけ。

なら何故、警報機も遮断機もある踏切に信号機があるのか?

もともと、普通の踏切と同じように警報機と遮断機しかなかった。

しかし、何故か自転車に乗った高校生が遮断機の下りた踏切に突っ込み、電車に轢かれて死亡。

赤字の私鉄だから、1時間に上り下りで2回しか下りない遮断機。

なのに毎年、数人の高校生が踏切に侵入して死亡。

それ故、誰からともなく「あの踏切には何かある」と言われたのも、当然だった。

市は多発する事故防止の為の、苦肉の策として信号機を設置した。

その後、確かに事故は減ったが、それでも年に数件は事故が起きている。

そして、俺はある夜、見てしまった。

やはり深夜。

俺はその踏切を通り過ぎようとしていた。

街灯?に照らし出される踏切にうごめく、赤茶色の塊。

手足が目茶苦茶に付いていて、無数の目が中心あたりでギョロギョロ動いていた。

察しの良い方は解ったと思うが、多分それは轢死した学生達の肉塊が霊になった物だと思う。

俺は、かなり動揺しながらも無事に通過した。

その県道は、高校生を始めとする若い人の事故死が多い。

実際、俺の同級生が高校を卒業した初夏に、新しく出来た道を車で走っていて、速度超過でカーブを曲がりきれずガードレールに衝突。

助手席に乗っていた友人と共に即死。

助手席の友人の死体には首から上が無く、警察が捜索した結果、近くの側溝に転がっている生首が発見された。

思い出すのも辛いが、俺は高校を卒業して県外に出る前に死んだ同級生に会っている。

高校こそ別々だったが、幼稚園から中学まで同じ学校に通った、ヤンチャだけど気のいいヤツだった。

地元で就職する彼に、県外に行くと言うと、

「でも夏には帰って来るんだろ?また会おうぜ!」

と笑顔で言ってきたのが、今でも忘れられない。

再会は、二度と果たせなくなった…。

怖い話投稿:ホラーテラー こうさん  

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