中編3
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創作(S2)

The dead town...

町の中は閑散としているのに、建物等に意図的な外損などは見られない。

さらに不思議なのは、この町の路上には何故か車が停めてある。この車達が役に立つのはきっと、このちっぽけな町の中だけだろう。

なぜなら、町の外は人がやっと歩けると言っていいほど木が覆い繁っているから当たり前だが車は走れない…

町の規模は入り口から反対側の入り口まで、およそ4キロ程。両脇の幅もそれと同じぐらいで、まるで、何処かの町が綺麗に切り抜かれてここに置いてあるみたいだった。

「なぁ、ニック。」

「…!?黙ってこれを持て!」

ニックは圧し殺した声でマイクに言った。そして、自分の腰にあったホルスターのSIG-P226をマイクに渡した。

「何だ?敵か!?何処だ!?」

「煩い。黙ってろって言ってるのが分からないのか?」

「なんだよ、優しく銃を貸してくれたと思ったら、やけにご機嫌斜め君だな…」

「マイク、辺りに銃が落ちてる筈だ。探すぞ…」

「はぁ?おいニック、お前、大丈夫か?なに1人でパニクってんだ!?」

そう言うマイクにニックはその理由を指差しで教えた。

「…!?嘘だろ!あれ、

カーターじゃねえのか?」

「そうだ。カーターだ。」

2人の進路にある一件の西洋建築の家の玄関前にカーターは吊るされていた…

「カーター!」

「待てマイク、迂闊に近付くな!!」

「お前、だからなんでそう冷静で居られるんだよ!?」

「こういう事態に遭遇した時に真っ先に死ぬのは、お前みたいに何か起こる度に大袈裟に騒ぐ奴だ。

俺はそんな風にはなりたくないんでね…」

「悪かった…

何か言い方が気に食わんが、気を付ける。」

確かに、ニックの言ってる事は的を得ているかもしれない。

「な、ニック。お前昔はSEALに居たんだったよな?」

「ああ、そうだ。

色んな戦場を見てきた…」

ニックはカーターの遺体から少し離れた場所を見渡しながらそう言った。

「さっきからなに探してんだよ?」

「あった。おい、マイク。そのハンドガンを俺に返してくれ。」

「おい、おい、待ってくれよ。ニック、カーターが死んでたんだぞ?明らかに敵がいるだろうが!?これをお前に返したらどうやって俺は身を守ればいいんだよ!?

…いや、見捨てないで、お願いニック…」

「…今、最後の一言で猛烈にお前を見捨てたくなったが?いいから、落ち着いてあそこの道脇を見てみろ。カーターの装備が転がってるだろ?」

「え?ああ、なんだ、そう言うことか。」

ニックとマイクは道脇に無造作に投げ捨てられたカーターのものであろう装備品に近付いた。HK G36、M92FS。間違いない、銃器オタクのカーターの装備だ。

「すげぇな、この銃…

カーターの奴、支給された護身用のライフルとハンドガンだけじゃ不安だったのかね?」

「マイク、そのカーターの銃に弾は装填されているか?」

「ああ。…おかしいな?

カーターは何かに殺されたんだよな?あの状況的に…

なのに、何で相手に銃を発砲しなかったんだ?」

「撃てない相手だった、

もしくは…そんな銃じゃ勝ち目がないと最初に気が付いて武器を捨てて逃げようとしたか…」

「ニック…何怖ぇ事いってんだよ。このマシンガンで倒せない相手って…まさか例のベルモット・ジャッカルじゃ無いよな?」

「ベルモット・ジャッカルは存在しない。それは忘れろ。それよりも、今の状況に集中しろ!」

ニックは言葉を続けた。

「まず、辺りを探って情報を集めよう。町の外に戻るという手も有るが、とにかく、隊長や他の仲間達の安否確認が優先だ。」

「先ずは仲間か…

ふん、さすが元SEALの人間だな、ニック。この状況で自分より仲間を優先出来るなんて。」

「チームは大事にしろ。

それが俺がSEALにいた頃に学んだ事の内の1つだ…」

「おい、ニック。カッコいいな、お前…」

「何度も言うが…

俺はそっちの気は無いからな…」

「そう言う意味じゃねぇ!?単純に誉めただけだろ〜が!!」

2人は、GPSが示す目標地点への進行方向前方にあるドアが開け放たれた、建物へと足を踏み入れた。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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