中編3
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yumemi

貴方は、どうしようもなくムシャクシャした時やイライラした時に、どういった行動をとりますか。

これは私が、ある行動をとった日に見た、夢の話です。

その日、私は家で大学に向けての勉強を頑張っていたんですが、夕方頃に帰ってきた両親からずっと部屋の扉付近から「公立じゃないと大学には行かせんからな」とか「隣のAちゃんは県立に行くって言うのにアンタは・・・」などの小言を言われ、ムシャクシャしていました。

けれど、文句を言おうにも養ってやってるのは誰だとおもっているって言われるのが常なので無視することしか出来なくて我慢していたんです。で、夜になって、両親がやっと寝るために部屋の前から居なくなった時に、先ほどまでのムカつきを晴らすため、何も書いてないノートにシャーペンで「あ゛ぁー!!」的な感じで黒く塗りつぶしてたんですよ。

物を投げたくても、音をたてたら益々両親がうるさいし。そして、少しムカつきがおさまって、夕方にお風呂に入ってた事もあり、私はそのままベッドに飛び込んで、眠りにつきました。

その時に見た夢は今でも鮮明に覚えています。

夢の中で私は、真っ白い部屋の中に居ました。そこに一つの五十インチ程のテレビがあって、映像が流れていて。その映像って言うのが、気味が悪いもので、

人間が男女問わずに長方形に固められているんです。それも何十人もの人間が。・・・・・・そう。まるでノートの1ページに小さい人間をはみ出す事なく貼り付けたみたいに。

それを私は呆然とテレビの前から見ていました。すると、画面の端から、その長方形に向かって大きなドリルみたいなモノが出てきたんです。

そのドリルは迷う事なく、人間がビッシリつまった長方形に近づいて言って・・・

「ギャァアアアアアア」

人間をエグリはじめたんです。テレビからは男女の苦しさに満ちた悲鳴が大音量で流れてきます。

けれどやっぱりドリルは止まることなく、不規則な動きで次々に人間をエグります。

その度に、真っ赤な血が飛び出して、長方形はだんだん人間の肌色の部分がなくなっていって、いつの間にか赤だけになっていました。

恐ろしくて恐ろしくて、目を閉じたとき、今度は機械的な声が聞こえてきて。

「グジャグジャ、グジャグジャ」

「ガリガリ、ガリガリ」

と延々と叫ぶんです。

最初は何なんだよ!って涙目になっていたんですが、次第にある光景が脳裏に浮かんできて・・・。

その光景は、私が眠る前にノートの1ページをシャーペンで塗り潰したところでした。

自分の怒りをぶつける様に、ガリガリガリガリと、グジャグジャグジャグジャと一本の黒い線を繋げていく姿を思いだしとき、気づいたんです。あ、これ、もしかしたら私が使ったシャーペンがドリルとして、人間を傷つけてるんじゃないのかって。

そう思った瞬間、目が覚めたんです。

窓からは朝日が差し込んでいて、当たり前の様に、机には昨日私が怒りをぶつけたノートが真っ黒のまま残っています。

そのあと、私が黙って真っ黒くしてしまった1ページを消しゴムで綺麗にしたのは言うまでもありません。

地味に手首が痛かったです。

やっぱり物とて、八つ当たりをしてはいけないって事を改めて思いしらされました。

怖い話投稿:ホラーテラー ねぐせるさん  

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