中編5
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創作2(S1)

The N.I.S

砂嵐が収まり、再び静けさを取り戻した砂漠地帯を一機のブラックホーク(ヘリ)が飛んでいた…

 「シャドウアイより、作戦指令部。」

 「こちら、第二作戦指令部、グラハム中佐だ。シャドウアイ、地点PJ-5に到着したか?」

「こちらシャドウアイ。

目標地点PJ-5を確認、座標135、そちらから200kmの場所に目標を発見。」

 「シャドウアイ、何か見えるか?」

 「指令部へ、こちらの前方に中世の古城を目視。

…かなりでかい。いつの間にこんなものが…」

 「こちら指令部。シャドウアイ了解した。N.E.S.U.(Nightmare.Emergency.Survice.Unit.)ナイトメア緊急対応部隊をファストロープで降下させろ。」

「シャドウアイ了解。古城の最東端に広いテラスの様な場所がある。隊員はそこへ降下させる。」

「指令部了解。シャドウアイ、辺りの警戒を怠るな。」

「シャドウアイ了解……

ん!?な、何だあれは!?

まずい、狙われてる!!

駄目だ!避けきれ………………………」

「…!?どうした!?シャドウアイ、応答せよ!こちら第二作戦指令部、シャドウアイ、何があった!?応答せよ…!!」

ナイトメアとの戦いから1ヶ月後…。

ニックは、とある都市の街中に建つ高層ビルのオフィスにいた。

…ニックが国家機関に所属しているのは事実だがそれは、生物調査班ではない。ニックは、初めからナイトメアの掃討を行うために当局のコネであの生物調査班に1年もの間潜入していたのだった…

政府の機密機関、Nightmare Information Security headquarters.ナイトメア情報セキュリティ本部(N.I.S.)。

ここが、ニックの正式な所属先だ。

ニックは、本片手に自分のオフィスで束の間の休息を静かに過ごしていた。

そこへ、スーツを身に纏った初老の男性がやって来た。男の名は、ディビット・フロスト。

フロストは、ニックのオフィスに続く扉を開けた…

「……フロスト准将。」

「やあ、ニック。この間はご苦労だったな。」

「いえ、とんでもない。」

「そうか、ならば…

次の任務について貰いたい。」

「次の任務?またどこかの機関に潜入ですか?」

「いいや、今回は我々N.I.S.のメンバーのみで作戦を実施する。」

「それじゃ、今まで通りにビリーが俺の相棒になるんですか?…奴となら仕事がやり易い。」

「ははは、君は本当にビリーと相性がいいな。」

「…准将、俺にそっちの気はないですよ。」

「………まぁいい。

今回は新人のエージェントを君に付ける。しっかり実戦の教育をしてやれ。」

「はあ、それでその新人は…?」

「彼女はもう地下の駐車場で待機している。」

「彼女?」

「ああ、彼女の名は、ニーナ・ヘイル。階級は君と同じ元SEALの少佐だ。」

「……。了解。それじゃ、早速任務に掛かります。」

「そうこなくては。

ブリーフィングは移動中の車の中で行う。では、付いてきてくれ…」

2人はN.I.S.本部ビルの地下駐車場に向かう。

地下駐車場に停められた黒塗りのベントレー(車)の前に彼女は居た。

「すまないな、ニーナ・ヘイル少佐。結構待たせてしまったかな?」

ニーナはフロストとニックに軍礼を交わし、

「いいえ、待機するのも軍人の仕事と心得ております!!」

彼女の余りの威勢のよさに、フロストは微笑み、ニックは顔をしかめて、小声でフロストに訪ねる。

「准将、本当に彼女ですか?」

「ああ、いかにも軍人らしくて結構じゃないか。」

「そうですか?俺には行き過ぎたバカにしか思えませんが…」

「ニック、あまりそういう憎まれ口を叩くな。彼女はまだ新入りだし、緊張しているだけだ…」

ニックは再びしかめっ面になる。そして、3人が車に乗り込む。

車は地下駐車場のゲートを抜けて、賑わう街中を走り出した。

「では、これからブリーフィングを始める。」

対面式の車内でフロストは向かい側に座るニックとニーナに切り出した。

「…今から4時間前。

ここから西へ1800km離れた砂漠地帯で、N.E.S.U.の隊員達を乗せたブラックホークが突然、消息を経った。

彼等は砂漠の中に忽然と現れた謎の古城を偵察する為の部隊だった。

第二作戦指令部のグラハム中佐からの電話があったのだか、彼の話では、ブラックホークが隊員達を古城の東側にロープ降下させようとしていた際に、何者かの攻撃を受けたらしい。」

「ナイトメアですか?」

「問題の古城は、つい最近になってそこに現れた。

たまたま、軍の監視衛星がその存在に気付いた。

そして、これまでの傾向から言っても、そういった辺鄙な場所に突然現れた建築物には、ナイトメアが居る可能性は極めて高い。」

「確かに。それで…

俺達は何をすればいいんですか?一応、」

「君達は、これから軍が用意したSR-37(マッハ3の速度で飛行できる軍用機)に乗り込み、古城を偵察、消息を経ったN.E.S.U.(ネス)の隊員達を探して貰う。

勿論、その過程でナイトメアに遭遇したなら奴を始末する事も忘れるな。」

「了解。」

「あ、あの…」

「どうした?ヘイル少佐?」

フロストがニーナに訪ねた。

「任務中は出来る限りマディソン少佐の足を引っ張らない様に頑張ります。」

ニーナは、緊張した面持ちでそう言った。

「ヘイル少佐…

あんたの真剣さは分かったが、初心表明演説は他でやってくれ。」

「マディソン少佐…、

あなた、性格悪そうね…」

「なっ…」

ニックは、新人ニーナの思いもよらないその返答に思わず言葉を失った。

そんなニックを見て、フロストはしてやったりといった感じの不適な笑みを浮かべていた。

(やっぱり、俺の相棒は厄介者や変わり者が多いな…)

ニックは移動中の車内をブリーフィング後から黙ったまま、目的地の空港まで過ごした…

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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