短編2
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実話なんです②

前の投稿で説明不足だったので・・・

福田君は少なくとも搬送先の病院では亡くなっていない。

2カ月程で退院したらしいが・・・その後の事は親に聞いても友人に聞いても誰も知らないんだ。

そのホテルの会長は早くに妻を亡くし、一人娘はホテルを継ぐのを拒否して他県に嫁いだ為、広い邸宅に一人で住んでいた。

その会長、福田君の退院と同時に行方をくらませちゃったらしいんだ。

町の者が気付いた時には、会長宅、既にもぬけの殻だったそうだ。

だから、福田君が今、生きているのかどうかすら・・・僕の周りに知る人はいないんだ。

まあ、探偵でも頼めば話は別だろうけど・・・

ホテルの裏山が昔、本当に処刑場だったのかどうか・・・調べてないし知りたくもないので定かではないが、無縁仏の墓がごろごろしてたのは町のの人間皆、知っていたらしい。

そこにホテルを建てたのが福田君の祖父だったのだ。

そのホテル、僕が知る限りでは既に3回は経営者が替わっている。

台風の影響で裏山が崩れた時には、経営は某地方銀行が行っており、もみ消したのかどうなのか知る由もないが、新聞等で報道される事は一切なかった。

じゃあ、何故その事を知っているのか・・・当時そのホテルで働いていた仲居さんと付き合っていたからだ。

次は当時彼女がそのホテルで体験した、身の毛もよだつ霊現象を書きたいと思う。

前回の投稿のコメ欄に、貧乏人の浅ましさを責める方がいた。

その通りだと思う。

福田君は御両親を不慮の事故で立て続けに亡くし、一人ぼっちで祖父のもとにやってきたらしいのだ。

その事を当時僕らは全く知らなかった。

ただの金持ちのおぼっちゃまだと思っていたのだ。

誕生日会の時の福田君のパーフォーマンスは、僕らを楽しませたいという彼なりの精一杯の優しさの表現だったのかも知れない。

彼が今、幸せに暮らしている事を心から祈っている。

言い訳だと思われても仕方がない。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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