About her
「ナイトファルコンより、本部。
目標地点上空に到着、パラシュートカプセルを投下する。」
SR-37の後部から2つの大きめなパラシュート付のカプセルが投下された。
2つのカプセルは古城からおよそ2km程離れた砂漠の砂の上に落下した。
カプセルの蓋が開き、中からニックとニーナが装備を携え出てくる…
「クソ…、もう少しレディーをいたわれっての…
ん?何見てんの、ニック?」
「いや、随分口振りが変わったな…」
「やだ、マジであれが素の私だと思ってたの?
可愛い。素直な子ね〜」
「…ナイトメアの前に、お前を掃討したくなってきたよ…」
「ハハハ…、超ウケる〜
って、そうだ。私の事、名前で呼んでいいからね。」
「お前、一体何なんだ?」
「ニーナ・ヘイル少佐。あなたと同じ、SEALの隊員よ。」
「…………」
「さ、急ぎましょ、ニック。」
「ナイトメアが居るかもしれない古城に向かうのが怖くないのか?」
「別に。て言うか、ああいうお城に昔から住んでみたかったから、今日はその下見。…あ、でも大丈夫だから。あなたの足を引っ張らない様に下見するから。」
「もう既に足を引っ張ってるだろ…」
「怒らないで下さいよ〜、先輩。」
2人は眼前に見える古城を目指して、砂漠の砂の上を歩き出した…
「………!?」
「どーしたの?ニック?」
「足下を見てみろ。
砂に消されかかっているが、何か動物の足跡みたいなのがあるだろ…」
「!?、これ、馬か何かじゃないの?」
「砂漠のど真ん中に馬が居るか?有り得ない。」
「でも、これは確実に馬よ。蹄の跡だわ。
それも…普通の馬よりもひとまわり大きい。」
「…よく気付いたな?
そう、この蹄の跡の大きさからして、ここに4メートル位のバカでかい馬が居たことになる。」
「……確か、ナイトメアって自分の身体の一部を何にでも変えられるタイプが居るのよね?」
「准将の講義を聴いてきたようだな…
ああ、これは多分、ナイトメアの足跡だ。その証拠に、足跡は古城を目指して付いているしな…」
「ニック、確かナイトメアに銃器は効かないのよね?
今回の装備のこの銃が役に立つの?」
「ああ。役に立つ。N.E.S.U.の連中の装備もそうだがN.I.S.直轄の任務の場合には、特殊弾頭の組み込まれたMP-5が支給される。
特殊弾頭とは、9mm硫酸弾の事で、弾が対象物に着弾した際に高濃度の硫酸が飛び出す仕組みになっている。…これなら、ナイトメアが相手でもある程度は対等に戦えると言うわけだ。」
「へぇ、すごい銃なんだ。見た目は普通なのにね?」
「ところで、何でそんなこと聞いた?」
「え!?…重かったからもし只の銃だったらここに置いていこうと思って…」
「自分の身を護ってくれる道具に対してそんな事は言わないことだな。じゃないと、土壇場になって苦労することになる。どんな武器でも使い方次第、それに無いよりマシだろ?」
「ウザッ…」
「は?何か言ったか?」
「い、いいえ。別に、さ、さぁ先を急ぎましょ…」
2人は砂漠の中に口を開けた、古城の入り口を潜ろうとしていた…
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話